数学者・お茶の水女子大名誉教授の藤原正彦氏。
日本人は正義をふりかざすのが大好きになったらしい。
国会ではここ半年ほど、どの政治家が旧統一教会とどんな関係があったか、
大臣たちの領収書や政治資金に関する不始末などに口角泡を飛ばしている。
新聞、テレビ、週刊誌などメディアも持ち前の正義感を発揮し騒ぎ立て、
野党は鬼の首を取ったように与党に詰め寄る。
ここ数年を振り返っても、森友学園、加計学園、桜を見る会で一年も騒いだり、
議員の金や女やポリティカル・コレクトネス(PC)に関するスキャンダルについて探偵ごっこに興じたりしてきた。
国会審議の中身のなさには呆れるが、政治の中枢を担う有能な人材として選ばれたはずの大臣が、
片端から馬脚を露わすのを見ると、政治家の劣化を思い知らされる。
選挙で勝つには金や組織が必要なため、高潔高見識の人は全国津々浦々にいても政治家になるのは難しいのだろう。
どのスキャンダルもケシカランことではあるが、一言で言うとさざ波ほどの出来事ばかりだ。
国益や国防にほとんど影響を及ぼさぬどころか、どれも十年後にはすっかり忘れられてしまうような事柄である。
国会やメディアがこのような些細なことに正義の旗を振り回し、
これに国民が共鳴して悲憤慷慨する、というのが近頃の日本と言ってよい。
‘@本来なら不正をしてはいけないと教える立場の人間が、政治家の不正くらい見逃せと言っている。
今時のコメンテーターが同様の考えを述べているが、納得した。
こういう人たちに教わっていれば、多少の不正など当たり前、何が悪いのかと擦り込まれる。
だから多くの政治家は変わらず平気で国民の税金を詐取し不正を働くのだ。
会社などでも不正を働くと信用を失う。金が絡めば免職も免れない。
なぜ、政治家だけが許されるのか。
こういった優性思想を平気でぶち上げる大学教授。
日本の闇は深そうだ。