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​ 「コロナのデマ情報」から身を守る方法」

大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授の宮坂昌之氏(清談社 小森重秀)



1918年に流行したスペイン風邪以降、日本人はパンデミックを経験してこなかった。

日本人の多くがコロナウイルスに接する機会がなくパンデミックの耐性がない状況下だったため、

新型コロナウイルスを恐れて日本人の多くが一種のパニックに陥った。

コロナウイルスに関する情報が十分に日本国民に伝わってこない状況で、基礎知識のない一般人も、

命を脅かす未知のウイルスに対処しなければいけない。

そう考えると、不安や心配を和らげる『確からしい』情報に頼りたくなるのでしょう」

またコロナワクチンに関しては、「新しいもの」という認識が日本人の恐怖心につながってしまった可能性がある。

新型コロナウイルスの流行からわずか1年ほどで開発したワクチンだと思って、

『打ったら何が起こるか分からない』とワクチンに対する忌避感を抱いた人もいたでしょう。

実は、メッセンジャーRNAワクチンというコロナワクチンの仕組み自体は2000年初頭から開発が進んでいて、

技術的には積み上げられてきたものだったんです」



新しいものは検証が十分になされていないという思い込みも働き、

日本国民の多くはワクチンの情報を冷静に受け止めきれない心理状態だったのだ。

デマの拡散については、「テレビに登場した専門家と呼ばれる人々の多くが、

あたかも全て知っているかのように不正確な説明をしていたことも問題である」と、宮坂教授は厳しく指摘する。

「水洗式トイレの使用は気を付けないと感染する、紫外線でウイルスは殺せるなどのうそが、

正しい情報として提供されたため、恐れる必要のないことまで恐れるようになってしまいました。

また、スクリーニングがかかりにくいSNSでは、誰が何を書いても人々の目に入ってきてしまいます。

今でもTwitterなどに、ワクチンに関する間違った情報がたくさん載っていますよ」

「もっとも分かりやすい例として、ファイザー社を2011年に退職したマイケル・イードン博士が、

コロナワクチンを打った実験動物は2年以内にすべて死んだと述べたことが挙げられます。

コロナによるパンデミック発生の9年前に退職したイードン博士は、コロナワクチン開発に関与できません。

それに実験動物のマウスの寿命はそもそも2年なんです」

また、「ワクチンを打ったら死んでしまう」といった、

数字の一部分だけを切り取って誤解させる情報が広まってしまうこともあった。



例えば日本では、月ごとに、ワクチン接種後に死亡した人数を厚生労働省のHPで確認することができる。

ワクチン接種後に亡くなった人がいることは事実だが、死亡者数の推移だけを比較しても、

ワクチンが死亡者を増やしたかどうかの判断はできない。

ワクチン接種後の死亡者数で単純に比較するのではなく、ワクチン接種者における死亡者の割合で比較すると、

全死亡者におけるコロナの死亡者の割合は、ワクチン未接種者が37.4%であるのに対し、

2回目接種21日以降の人はわずか0.8%にすぎない。

誰かとディスカッションすることで、自分の持つ情報が本当に正しいのかを判断する機会を持つことも重要だという。

「身近な人がデマやフェイクニュースを信じ込んでしまい、そう思い込んでしまった人の意見を否定しても、

さらにかたくなになってしまうだけでしょう。その場合は、考えを否定せずに時が解決するのを待つのも手だと思います」

デマやフェイクニュースから身を守るためには、情報源をたどる習慣と他者を受け入れる寛容さ、この二つが肝心。

トイレはどこかの研究で蓋をしないで流すと相応の物が外に飛び出ると出てたが。

下水からもウイルスは発見されている。