米国防総省は3日、ウクライナに対する新たな21億7500万ドルの軍事支援に、
「GLSDB(地上発射型小口径爆弾)」と呼ばれる長射程のロケット弾が含まれると明らかにした。
新兵器であるGLSDBの射程距離は、「ハイマース」の約2倍の151キロメートル。
ウクライナ東部のロシア軍の全ての供給ルートのほか、ロシアが「併合」したクリミアの一部も射程の範囲に入る。
米国防総省の発表についてロシア大統領府のペスコフ報道官はロシア通信(RIA)に対し、
プーチン大統領が前日にボルゴグラードで行った演説を忘れてはならないと述べた。
プーチン氏は前日の演説で、ドイツが同国製戦車「レオパルト2」をウクライナに供与する決定を非難した上で、
核兵器を含むあらゆる兵器を使用する用意があると改めて警告した。
EUとウクライナは3日、同国の首都キーウで首脳会議を開き、
EUの軍事、財政面での支援強化などを盛り込んだ共同声明を発表。
ウクライナとの結束をアピールした。両者の首脳会議は侵攻後初めて。
終了後、EUのフォンデアライエン欧州委員長とミシェル大統領、ゼレンスキー大統領が記者会見。
ウクライナが目指すEU加盟に関し、ゼレンスキー大統領は「EUへの統合は不可逆的」と話し、
フォンデアライエン委員長は「確固としたスケジュールはないが、到達せねばならない目標だ」と述べた。
中国外務省は4日、馬朝旭外務次官がロシアを今週2─3日訪問し、ラブロフ外相と会談したと発表。
中ロの政治的な相互信頼が引き続き深まっているとの認識を示した。
同省は声明で、両国が協力して戦略的パートナーシップを遂行し、関係をさらに進展させる意向だとも述べた。
同パートナーシップは習近平国家主席とプーチンが昨年、米国に対抗することを目的に発表したもので、
あらゆる分野で協力するとしていた。
馬次官は訪ロ中、ルデンコ外務次官ら高官と相次いで会談し、二国間や多国間協力のほか、
国際問題や地域問題について意見交換したという。
同省の声明はロシアのウクライナ侵攻には触れていない。
ラブロフ外相は2日、中国との関係に限界はなく、正式な軍事同盟ではないものの、
その本質ははるかに高度で幅広いものだと述べた。