以前にも記したが、島津製作所は2023年2月10日、
同社子会社の島津メディカルシステムズ(以下、島津メディカル)で行われていた、
保守点検業務に関する不正行為の内容について、外部調査委員会による調査結果を発表。
7人の嫌疑濃厚者を特定し5件の医療機関に対する不正行為を確認。
2022年9月に発覚した不正行為は、島津メディカル熊本営業所に所属するサービス技術者が、
2016~2018年にかけて行っていたもので、まず熊本県内の5つの医療機関に納入したX線装置の保守点検の際に、
電力供給回路に不正に外付けタイマーを取り付けた。
このタイマーを作動させることで、一定期間経過後に意図的にエラーを発生させて、
X線装置が故障であるかのように装い、保守(補修)部品の交換を有償で行っていたという非常に悪質なものだ。
有償交換の場合、100万~300万円となる。
背景には、島津メディカルにおける技術部門の役割は、保守を行ったり、故障などの不具合が生じた場合に対応する部署だった。
そのため売り上げ目標などは設定されていなかった。
しかし、九州地区における組織変更の際に技術部門にも個別の業績目標が設定されるようになった。
当初は保守契約のみの目標だったが次第に修理や点検、営業部門からの請負、部品販売の業績目標項目が設定されるようになったという。
妥当性がない前期比増の目標が毎年設定され、現場のサービス技術者は苦しんでいた。
さらに、九州地区の営業所ではこれらの「無理な目標」の達成に対して、強いプレッシャーがかけられていた。
そのため、一部のサービス技術者が事後交換のために部品の故障を偽ろうと不正行為に及んだ。
だからと言って許される行為ではない。
島津メディカルのサービス技術者に対して深い信頼を寄せている裏切り行為であり、社会を不安に陥れる驚愕事件だ。
国策の大学問題も、こうならないことを祈るばかりだ。
既になっている所もあるようだが。