米国のブリンケン国務長官は2月28日、旧ソ連構成国カザフスタンの首都アスタナで、
ロシアが一方的に「勢力圏」と位置付ける中央アジア5か国の外相らと会談に臨んだ。
米国は、ウクライナを侵略するロシアと政治的に距離を置く動きもみせる5か国への関与強化の姿勢を鮮明にし、
取り込みを目指す。対露制裁の「抜け穴」封じも狙う。
国務長官として中央アジア初訪問のブリンケン長官は、アスタナでの記者会見で、
「5か国は未来を形作るために協力する時、最も力を発揮する。米国はその努力に対する確固たるパートナーでありたい」と述べた。
この日、5か国で唯一、ロシアの侵略に反対を表明し、ウクライナに人道支援も行っているカザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領と会談。
ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの4か国も加えた外相らとの会合も開き、
経済や安全保障分野での協力を強調した。ブリンケン氏はウズベキスタンも訪問予定。
23日の国連総会緊急特別会合では、ロシアの戦争犯罪に対する調査や訴追、
露軍の無条件撤退要求などを盛り込んだ決議の際、カザフスタンを含む4か国が棄権。
「中立国」をうたうトルクメニスタンも投票に参加しなかった。
5か国がロシアに配慮するのは、侵略を機に、経済制裁の打撃緩和を図りたいロシア向けの輸出が急増し、恩恵を受けているためだ。
最近は、対露輸出が禁じられている半導体が使われている家電製品などの輸出が伸びている。
5か国には侵略前から中国も関与を強めている。
中露主導の地域協力機構「上海協力機構」(SCO)にはトルクメニスタンを除く4か国が参加。
‘@こうした外交は大事だ。
もっと早くに実行するべきだった。
米側が入り込むのは容易ではないが、粘り強く対応すべきだ。
経済的に仕方なく関係を保っているが、ロシアの仲間に見られたくないと思っている国もある。