フランスのマクロン大統領が台湾情勢を巡り、欧州は米中いずれにも「追随」すべきでないと発言。
欧米から強い批判を招いている。
中国が大規模演習で台湾を威嚇する中、米中両国に対して不適切なメッセージになるとして、
自国内でも「失策」と指摘されている。
国際議員連盟「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)は10日、声明を出し、
マクロン氏の発言は欧州を代表するものではないとの立場を示した。
同連盟は声明で、マクロン氏の発言に「失望した」と言明。
中国はウクライナを侵攻したロシアを「支持している」などとした上で、
「台湾に無関心だとのメッセージを送る最悪のタイミングとなっただろう」と指摘。
マクロン氏の発言は世界の議員と「全く歩調が合っていない」とも批判。
一方的な現状変更に反対する姿勢を強調し、「台湾の人々の民主的な声は尊重されるべき」だと訴えた。
同連盟は日本や英国、オーストラリア、カナダ、欧州、台湾などの国会議員で構成される。
声明には欧州諸国をはじめとした15カ国の議員が署名した。
フランスの経済紙「レゼコー」は9日、マクロン大統領が中国を訪問中に行ったインタビューを掲載。
マクロン大統領は、台湾情勢の急変はヨーロッパの利益にならないと明言。
「最悪なことは、ヨーロッパがアメリカのリズムや中国の過剰反応に追随しなければならないと考えることだ」と強調。
中国に警戒心が強まっているなかでのマクロン大統領の今回の発言。
EU内では、台湾有事などがあった場合には中国に厳しく当たるという総意があった。
マクロン大統領は習主席のあまりの厚遇に舞い上がり、空気が読めない発言をしてしまったようだ。
EU内でフランスが孤立するのではないかという懸念さえでている。
「フランスはアメリカとは別のスタンスでいきます」と示したマクロン大統領。
トランプ政権で官僚を務めたエルブリッジ・コルビー氏がツイッターで、
「欧州は台湾有事があっても支えないということがわかった。欧州は頼りにならない。
台湾有事においては日本とオーストラリアだけが頼りだ」とツィート。
アメリカのメディアは、「マクロン氏が対ロシア戦争でアメリカ国民の支持を減らしたいと思っているなら、
これ以上の上手い発言はなかっただろう」と皮肉を込めた記事を掲載。