「ビッグモーター」客のタイヤに穴を空ける。
全国に約260店舗を展開し、従業員数およそ6000人、年商は7000億円を超える中古車販売会社『ビッグモーター』で、相次いで不正が発覚。
昨年2月には滋賀県のびわ湖守山店に、不正改造などを理由に近畿運輸局から事業停止処分が下された。
今年2月には佐賀県の唐津店が、3月には熊本県の熊本浜線店が車検の不正などを理由に、
九州運輸局から保安基準適合証の交付停止や民間車検場の指定取り消し処分を受けている。
工賃の水増しや保険金の過剰請求のために、工場長自らが「不正整備」を実演指導。
年商7000億円を誇る、巨大企業のズサンな実態を元整備員がFRIDAYに怒りの告発。
タイヤの穴空け方法を教える工場長。Aさんによると、タイヤが摩耗したものを中心に狙うように指導があったという。
提供してくれたAさんは、渦中の熊本浜線店に’19年から約2年勤務し、整備部門の責任者など要職を任されていた人物だ。
動画は’21年6月に、Aさんが不正の証拠を残すために、「仕事を覚えるため」と偽り、撮影したものだという。
「動画はタイヤを意図的にパンクさせる方法をレクチャーしたものになります。穴を空けていたのはお客様の車です。
この車はタイヤの溝がなくなるくらい擦り減っていて、いつパンクしていてもおかしくなかったため、穴空けの対象に選ばれた。
工賃だけで月20万〜30万円は収益がありました。」
他の店舗ではさらに悪質な不正が行われていたといいます。
保険金の中抜きを行っているんです。パンクさせたあとに安価なタイヤに付け替え、
一方で保険会社には最新の高級モデルに変更したと申請するんです。そうすればその差額は丸々利益になりますからね」
「工場長には抗議しましたが、聞き入れてくれませんでした。私自身が『穴空け』を行うことはありませんでしたが、
犯行を認識しながらも止めることができなかった。罪の意識は常にありました」
指導動画が撮影された熊本浜線店。九州運輸局からは指定自動車整備事業の指定の取り消しと検査員2人の解任という厳しい処分を受けた。
Aさんは、こう怒りを口にした。
「一番許せないのは数々の不正やノルマについて『具体的な指示は出していない』という本社の姿勢です。
売り上げが悪ければ、工場長はほかの工場長たちの前で名指しで批判される。
本社の人間が毎月支店に視察に来るのに、現場の苦境は見て見ぬふり。それが一番辛かったんです」
ビッグモーター本社にFRIDAYは質問状を送ったが、期日までに返答はなかった。
また都内にある代表取締役社長・兼重宏行氏(72)の自宅を訪れ見解を求める旨の質問書を投函したが、やはり返答はなかった。
‘@一代で築き上げた実績が悪行三昧の下築かれたとはよくある話だが怒りでしかない。
悪行も犯罪行為は絶対に許されるものでは無い。