霞ケ浦周辺で大量に繁殖中の外来種「ハクレン」。
現状はほぼ役に立たない魚だが、今後は重要な資源となるかもしれない。
霞ヶ浦がある茨城県が、同湖などに大量に生息する外来魚「ハクレン」について、
資源として利用するための調査や実験事業を行っていくと発表。
同事業では、霞ヶ浦沿岸などにある漁協の協力のもと、ハクレンを水揚げし、魚粉に加工。
その成分を分析し、養殖用飼料や農業用の肥料に活用できないかの調査を行うという。
県内ではコイの養殖が盛んに行われており、また同県は全国屈指の農業県。
ハクレン魚粉がこれらの産業に活用できれば、その利用価値は高い。
ハクレンは中国原産のコイ科の魚で、大きく成長するのが特徴。全長1m、重さ10㎏を超えることも。
原産地においては、コイ科の重要食用魚。
日本には食用として、また植物プランクトン食性であることから、プランクトンの異常発生である「アオコ」を軽減する目的もあって移入された。
全国各地に放流されたが、「大河の表層を流されながら孵化する」という特異な生態から、短い急流の多いわが国では定着できず、
現在では唯一利根川流域、並びにそれとつながる荒川流域のみで繁殖。
利根川水系の一部であり、ハクレンの孵化に向いた環境でもある霞ヶ浦には特に多く生息している。
ハクレンは、コイ科の淡水魚であるため、コイやフナ同様「臭みを持つ」というイメージを持たれている。
そのため日本ではほとんど食用にされていないが、水質がある程度良いところで獲れたものは美味しく食べられる。
利根川下流部では、しばしば漁で水揚げされ、新鮮なものを食用にする例もある。
また、ハクレンは食用としてだけではなく、薬用としてもその可能性が期待されている。
ハクレンは非常に成長の早い魚として知られているが、その脳下垂体から摂れるホルモンには、
ほかの魚の成長をも促進させる力があることがわかっている。
現在、ハクレンの脳下垂体を用いて、ウナギやニシキゴイ、更には海水魚であるヒラマサなどといった養殖魚の成熟を促す実験が行われている。
‘＠毎年ハクレンがジャンプする姿がニュースで流れるが、有効利用できればとても良いことだ。
ボラなども臭みのある魚だが、獲れる場所によってはおいしい魚だ。
白身の魚で全く臭みがなく脂がのっていればなお美味しい。
日本全体の漁業が衰退する中、こういった取り組みは期待がもたれる。
がんばれ日本！
