米映画芸術科学アカデミーが多様性を追求する目的で打ち出したアカデミー賞の新しい選考基準をめぐり、
俳優のリチャード・ドレイファス氏が痛烈批判を展開。
同団体は2020年、アカデミー賞の作品賞を受賞する作品の新しい選考基準を24年から設けると発表。
条件として、主な出演者にマイノリティーを起用するか、出演者やスタッフの30%以上にマイノリティーを起用するなど、4つの基準のうち少なくとも2つを満たすことを求めた。
ドレイファス氏は5日、PBSの番組の中で、この基準について「吐き気がする」と発言。
理由を尋ねられると「これは芸術の一形態だから」と説明。
「これは商業の一形態でもあり金もうけができる」
「それでもこれは芸術だ。芸術家としての私に対し、道徳とは何かに関する流行最先端の考え方に従わなければならないと指示することは誰にもできない」と主張。
アカデミー賞では、白人偏重に抗議する運動が15年に巻き起こり、映画産業の不平等問題への対応を目指して今回の新基準が設けられた。
しかしドレイファス氏は「そんな風に対応しなければならない少数派も多数派も、この国には存在しないと思う」と言い切った。
その上で、1965年の映画「オセロ」で顔を黒く塗って主役を演じた英俳優のローレンス・オリヴィエを、
「オセロを演じた最後の白人俳優」として紹介し、オリヴィエの演技は素晴らしかったと賞賛。
「今後は私が黒人の役を演じるチャンスは絶対ないということか」
「ユダヤ人でなければベニスの商人役を演じてはいけないと? 気が狂ったのか?
芸術は芸術だということが分からないのか?」と疑問をぶつけた。
‘@わたしもドレイファス氏に賛同。
映画や芸術に規定を設けるのは頂けない。
本来ならすべてが自由でなければならないが、現代社会ではそうもいかない。
だが、出来る限り自由でなければならない。