プレジデントオンライン
日本式教育を否定的にとらえ、インターナショナルスクールや海外大学を選ぶ人が増えている。
国際教育コンサルタントの村田学さんは「実は海外では日本式教育の評価は高い。『東京大学の海外分校』など、むしろ日本式教育の輸出を積極的に検討するべきだ」という。
実は大学を含め、日本の学校が現地の学生をターゲットに海外進出する例は本当に少ないのです。
日本の私立有名校の中には、早稲田や慶應義塾、立教のように海外に系列校を設置しているところもあります。
でも基本的にこうした学校は、日本人学校の延長線上で、日本人駐在員の子供向けの学校です。
実際、未就学児向けではありますが、日本から日本式教育をひっさげて海外進出し、大成功した例があります。国内26校、海外3校を展開する「キンダーキッズ」です。
キンダーキッズが初の海外校であるカナダ・オンタリオ州クラークソンに進出したのは2014年のこと。私は去年、カナダまで取材に行きましたが、定員140名のところ300名が入園のキャンセル待ちをするほどの大人気でした。
こうした人気を受け、2019年にはアメリカ・ハワイ、2022年にはカナダ・オンタリオ州オークビルにも開校しています。
キンダーキッズの売りは日本式の幼児教育です。例えば日本では、幼稚園で文字を教えるのは当たり前です。
ところがカナダやアメリカではこれが「当たり前」ではありません。就学前は遊びながらコミュニケーション能力を身に付けるべきで、読み書きはその後、という考え方が根強い。
でも少々「早期教育」をしたところで人格形成に悪影響が出るわけではないことくらい、現地の親御さんも分かっています。
おまけに勉強だけでなく、運動や音楽やアートのアクティビティも充実していて楽しそうだから入園させたい、というわけです。
キンダーキッズは地元のオンタリオ州から保育園としてのライセンスを得て運営されており、認可園として助成金の対象にもなっています。まさに「現地校」なのです。
岸田文雄首相は「グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSUC)」の構想でMITを誘致し、AI研究人材の育成に取り組むと言い出しました。もともとアメリカは英国と異なり、教育輸出に熱心ではありませんでした。
わざわざ海外進出しなくても、世界中から優れた人材がアメリカの大学に入学してくるからです。それを誘致するというのは寝た子を起こす政策で、
AI研究で東大や東工大といった日本の大学を応援するのではなく、足を引っ張るというのはどういう考えなのでしょう。
‘@わたしも以前から指摘しているが、日本おシステムは皆が言うほど悪くない。
そんなに悪かったらこれまで発展していないだろう。
日本の識字率はトップクラスだ。
ただ時代の流れに乗れていなかった感はある。いつまでも寺子屋ではダメだ。
先見の明が、政治家や一部の企業にはなかった。
今が最後の踏ん張りどころだ。
アメリカがアメリカがと言うが、わたしにはアメリカが、そんなに良くは見えない。