8年前、東京・表参道の宝石店でおよそ1億円分の宝石が奪われた事件。
イギリスの裁判所は、警視庁が国際手配していたイギリス国籍の男の、日本への引き渡しを認めないとする判決を言い渡した。
日本の捜査機関による取り調べで人権侵害を被るおそれが拭えないなどとしている。
日本とイギリスの間に容疑者の身柄の引き渡しに関する条約は結ばれておらず、裁判で弁護側は、引き渡した場合、
捜査機関による長時間の取り調べで自白を強要されるなど、人権上の懸念があると訴えていた。
これに対し日本側は、取り調べは原則として録画され、自白の信用性が疑われる場合は証拠として採用されないことなどを説明。
判決は、裁判所が日本政府に求めていたチャペル容疑者の人権への保証が不十分だとして引き渡した場合、人権侵害を被るおそれが拭えないなどと指摘、日本側の求めを退けた。
ほかの2人の容疑者についても9月以降、審理が行われる。
イギリスで容疑者の身柄の引き渡しなどを専門とするアナ・ブラッドショー弁護士はNHKの取材に対し、
「日本が将来にわたって外国の容疑者の円滑な引き渡しを実現するためには、国際的な独立した監視機関を受け入れて捜査や拘留、
それに裁判の実情を明らかにしてもらい、人権に関する他国の懸念を取り除く必要がある。
この問題に向き合う用意があるのか、それとも交渉の余地がない対立点なのか、日本政府にかかっている」と指摘。
2015年11月、東京・渋谷区の高級宝石店に3人組の男が押し入り、警備員を殴って大けがをさせた上、ダイヤの指輪などおよそ1億円分を奪って逃げました。
この事件で警視庁はイギリス国籍の男3人について強盗傷害などの疑いで逮捕状を取るとともに、ICPO=国際刑事警察機構を通じて国際手配していた。
その後、3人はそれぞれ別件でイギリスで拘束され、日本政府が引き渡しを求めていましたが、ロンドンの裁判所は11日、3人のうち、ジョー・チャペル容疑者(37)について引き渡しを認めないとする判決を言い渡しました。
‘@日本の警察の取り調べは世界から信用されていない。
自白強要、無理な捜査がいまだ続いている。
恐ろしいことだ。
入管問題などもそうだが、日本人より世界は事実を見ているということだ。