家庭で、両親や祖父母、きょうだいの世話や介護などに追われる「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもたち。
その割合が、中学生のおよそ17人に1人に上ることが国の初めての実態調査で明らかになった。
厚生労働省と文部科学省は、去年12月からことし1月にかけて初めての実態調査を実施。
その割合が、中学生のおよそ17人に1人に上った。
公立の中学校1000校と全日制の高校350校を抽出して2年生にインターネットでアンケートを行い、
合わせておよそ1万3000人から回答を得た。
「世話をしている家族がいる」という生徒の割合は、中学生が5.7%でおよそ17人に1人、
全日制の高校の生徒が4.1%でおよそ24人に1人。
内容は、食事の準備や洗濯などの家事が多く、ほかにも、きょうだいを保育園に送迎したり、
祖父母の介護や見守りをしたりと多岐にわたっています。
世話にかけている時間は、平日1日の平均で、中学生が4時間、高校生は3.8時間。
1日に7時間以上を世話に費やしている生徒が、1割を超えていたという。
「進路の変更を考えざるをえないか、進路を変更した」という生徒が4.1%、
「学校に行きたくても行けない」と答えた生徒が1.6%でいた。
一方で「相談した経験がない」という生徒が、中高生ともに6割を超えている。
「誰かに相談するほどの悩みではないから」という理由が最も多く、
「相談しても状況が変わるとは思わない」という回答が続いた。
定時制などで、「世話をしている家族がいる」という生徒の割合は、
定時制高校が8.5%でおよそ12人に1人、通信制高校が11%でおよそ9人に1人と、
いずれも全日制の4.1%を上回っている。
このうち通信制高校の生徒では、1日に7時間以上世話に費やしているという回答が24.5%を占めたという。
家族の世話をしている通信制の高校の生徒に「やりたくてもできないこと」を複数回答で尋ねたところ、
「自分の時間が取れない」が40.8%に上ったほか「友人と遊ぶことができない」が30.6%と、
いずれも全日制の高校を大幅に上回った。