私たち医療従事者も夜勤明けでそのまま日勤のシフトが続くこともあったりして、
かなり厳しい状況です。そのため、3月末には看護師が10人以上も辞めてしまいました……」
22日には大阪府がついに“新型コロナ重症患者向けの病床使用率が100%になった”と発表。
大阪、現場ではすでに“命の選択”ともいえる決断が下され始めたという。
「最近は患者さんが多すぎて、ICUとコロナ病棟は常に満床の状態です。
一般病棟だったところもすべて重症病床になりましたが、それでもとても追いつきません。
毎日1~2床のベッドが空いたとしても、すぐに埋まってしまう。その繰り返しなんです。
そしていよいよ、“80歳以上の患者さんは受け入れない”という決定が下されました。
高齢者施設でクラスターが起こったとしても、
『うちに入れることはもう諦めてください』とお断りしているんです……」
“80歳以上の患者は受入れ拒否”という非情な決断を下さなければならないほど、
追い詰められている医療現場。
これまでは新型コロナの重症患者といえば高齢者ばかりでした。
しかし、最近はかなり若い患者さんも増えています。メーンとなるのはやはり40~60代ですが、
20~30代でも人工呼吸器をつけるケースは少なくありません。
そして今回の変異株については、悪化するまでの“スピード”も問題です。
以前は2~3日かけて少しずつ進行していくケースが多かったのですが、
変異株に感染している患者さんだと数時間で急激に悪化することもあります。
そのため、たとえ若い患者であっても目が離せないのです」
吉村洋文知事に現場の叫びは届いていない。
医療崩壊は大阪に限らず、全国でも起こりうる。
最前線で戦う医療従事者たちの悲痛な叫びは、行政・国民に届きづらい現実がある。