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​国立近畿中央・倉原医師「どこが風邪やねん!」

大阪府では軽症中等症病床使用率が一時117.9%に到達。

散々テレビなどでも報道されているが、軽症というのは一般の人が考えているような軽いものでは無い。

一般で考える重症の手前の症状だ。

だから、自宅待機で亡くなる人も後を絶たない。

その軽症の人たちを、堂々と法律の名のもとに自宅待機にさせろと言っているのだ。

今すでに、都心部ではそういう状態になっているが、市民やメディアが騒ぐ。

法的根拠があれば。法律でそうなっていると逃げられる。

今でさえ自治体の長や感染対策関係者は開き直っているのに、さらに強固に対処できる。

国立病院機構近畿中央呼吸器センターの呼吸器内科医の倉原優医師は懸念する。



「コロナ病棟の体感としては第4波・第5波に匹敵するくらい肺炎が多く、

大阪人としては『オミクロン株のどこが風邪やねん!』とツッコミたくなる状況が続いています。

医者なら誰でもピンとくる、典型的な新型コロナ肺炎は、この2週間でたくさん診ました。

ピンとくる、というのは胸部画像検査で新型コロナの肺炎というのはとても特徴的だからです。

このうち、酸素療法などを要した急性呼吸不全の状態、

すなわち「中等症II」以上は全体の半数以上にのぼります。第4波に匹敵するほどの頻度です。

入院を要する患者さんの数は、『感染者数×重症化率』の掛け算で決まります。

重症化率は確かにデルタ株より低いのですが、このメリットを吹っ飛ばすくらい感染者数がいます。

そのため、 オミクロン株による中等症IIの新型コロナ(両肺に広範囲の肺炎がみられる)患者さんが多い。

2月に入ってから2週間で、当院のコロナ病棟(稼働病床60床)に入院したのは71人です。

1日約5件ペースで新規入院が続いている状態です。

『高齢者が多いため基礎疾患が悪さをして亡くなる』は事実ですが、

入院にいたる新型コロナを連続的に診ていると、やはり肺炎の頻度がかなり高い印象です。

基礎疾患だけで亡くなっていくだけでなく、新型コロナ肺炎の毒性に耐え切れずに亡くなるケースもたくさんいます。

季節性インフルエンザの致死率と比較することにはあまり意味はありません。

検査閾値・制度がそもそも異なるので、母数に大きな乖離があります。

新型コロナほど広く検査されない季節性インフルエンザの致死率は、やや高めに算出されます。

『入院を要するインフルエンザ』と『入院を要するオミクロン株』の両方を長らく診療している身としては、

圧倒的に後者のほうが肺炎の頻度が高いと考えます。あくまで現場の私見です。



さて、酸素療法が必要な「中等症II」の状態でやってきた場合、人工呼吸器について話をしておく必要があります。

もし人工呼吸器等の集中治療を希望される場合、

通常の酸素療法で酸素飽和度が維持できない局面にくると、

重症病床へ転院の手続きをすすめなければいけません。

しかし、高齢者の場合、家庭内ですでに話し合いが行われていることもあり、

『人工呼吸器は希望しない』と明言される患者さんもたくさんいます。

人工呼吸器等の集中治療の適応がなければ、基本的に軽症中等症病床で診療し続けます。

当院における第6波の入院患者さんの平均年齢は77歳です。

重症病床に転院して人工呼吸器を装着して集中治療を受けますと言う人は、多くありません。

それゆえ、第1~5波とは違い、中等症IIの多くが軽症中等症病床に留まるという現象が起こっています。

高齢者の中等症IIは、在院日数が長くなります。発症から10日間経過しても、

後方支援病院は中等症IIでの受け入れにさすがに難色を示されることもあります。

”大阪コロナ大規模医療・療養センター”は、介護を要さない人を対象としているため、

中等症IIから回復した高齢者は、なかなかここに転院できません。

そのため、軽症中等症病床は、だんだん中等症IIの患者さんが埋まっていく構造になりつつあります。

2月14日、大阪府は第68回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議において、

もし病院で新型コロナ陽性と判明した患者さんがいた場合、特措法第24条に基づき、

引き続き自院で治療をおこなうよう通知を出しました。

これは、すでに大阪府の軽症中等症病床が満床に到達してしまい、

転院させたくてもできない事態に陥っているからです。

そのため、自施設のコロナ病床が満床の場合、臨時病床を院内に作って対応するしかありません。

こうなると、自施設のコロナ病棟キャパを超える患者さんを診なければならないわけですから、

病院のマンパワーが足りなくなります。

そうなると、新たな軽症中等症患者さんを引き受けられないことにつながりかねません。

まとめ

大阪府の軽症中等症病床使用率が100%を超えた理由は、

重症病床の適応にならない軽症中等症患者さんがコロナ病棟外にあふれてしまったためです。

他病棟を丸ごとつぶして臨時コロナ病棟に転用している施設もあり、

これにより新型コロナ以外の疾患の受け皿が枯渇しつつあります。

外科手術や救急を止めている病院も増えてきました。

明確な有効打がないまま第6波が自然に過ぎてしまう可能性もありますが、

今後の医療リソースに関して課題を残す波になるかもしれません。




‘@沖縄県専門家会議の藤田次郎座長(琉球大学大学院教授)も、

「オミクロン株はインフルエンザと類似点が多く、重症化リスクも従来株に比べ高くない。

これまで通りの重点措置を継続するのにどの程度の意味があるのか」

「オミクロン株の潜伏期間の短さから考えても、濃厚接触の概念は馴染まない」と再三指摘。

類似点は、大阪も沖縄も全国トップクラスの感染状況。

そこの感染対策専門家会議の座長が、オミクロン株を軽く見ている。

なぜ両府県が、いつも最悪の感染状況になるのかが分かる気がする。

重症者が少ないというが、高齢者は重症だがエクモを拒否するケースが多い。

数字以上に重症者は多いということだ。

そして、彼らの望み通り、すでに家族や本人が覚悟している。

80億円の”大阪コロナ大規模医療・療養センター”は使い物にならない。

大坂がこんなに大変な時に、府知事はお笑いタレントがMCの民放の番組に出て、

笑いながら盛り上がっている。

大阪の街は、いついかなる時も、全体が”吉本新喜劇”で、できているようだ。

(合掌)