政治・経済、疑問に思うこと!

より良い日本へ願いを込めて。

​6割以上の自治体「7月中に高齢者のワクチン接種完了できない」

3度目の緊急事態宣言下のゴールデンウイーク中も新型コロナウイルスが猛威をふるっている。

厚生労働省によると、5月1日に全国の新型コロナウイルスの重症者は、

前日から30人増えて1050人となり過去最多を更新した。

大阪では連日、新規感染者が1000人を超え、連休中も医療崩壊で危機的な状況が続き、

早くも再延長の議論が行われている。

しかし、休業、自粛要請ばかりで肝心のワクチン接種は一向に進まない。



日本国民の接種率(4月末時点)はわずか1.3%と、OECD加盟国37カ国で最下位。

米国は37%、英国は約36%、さらに中国、シンガポール、韓国などアジア諸国より低い。

その批判を抑えようと、菅総理は連日、ゲキを飛ばしている。

「7月末までに高齢者のワクチン接種を終わらせろ」

 そのとばっちりを受けているのが、武田良太総務相だという。

これまでワクチン接種は、田村厚労大臣や河野ワクチン担当大臣が中心だった。

しかし、スピードが遅く、なかなか進まない。菅総理は武田総務大臣を呼びつけた。

「とにかくワクチンを何とかしろ、早く打て」と厳命。武田大臣は大慌てでワクチン対応にあたることになった。



しかし、現実は厳しい。

厚労省が4月末、全国の地方自治体に調査したところ、1741の市町村のうち、

6割以上の1100の自治体が「7月中に高齢者のワクチン接種完了はできない」と回答した。

「接種完了は早くて8月末」と回答する自治体が大半を占めた。

ワクチン予約は、受け付けが始まったとたんに瞬殺で埋まったり、

システムがパンクしてしまい、現場も市民も大混乱。



自身も総務大臣経験者で、総務省を使って、ワクチン接種を早めようと賭けに出たが、

7月末と期限を切ったことで、達成できなかったら、公約が守れなかったこととなる。

菅総理は自前の派閥がなく、無派閥の菅シンパ議員らと結束をはかってきた。

しかし、支持率が低下すると、無派閥の議員らも菅総理から離れることとなる。

国民だけでなく、自民党の多くの国会議員が「7月中に高齢者ワクチン接種完了」を注視している。