男子テニスの錦織圭(31)選手は10、東京五輪について、
「死人が出てまでも行われることではない」と開催を疑問視するコメントを発表。
これを受けて、コメンテーターの橋下徹氏が、
「錦織さんも日本換算にして今、2万人の感染者がいるイタリアで普通にテニスをして、
普通に生活をしているんですよ」とした上で、
「感染者が出ないところでオリンピックをやるべきだと言うけど、じゃあ、イタリアはどうなの?って」
と疑問を呈した。
さらに「少ない情報源の中からいろいろ聞くと、イタリアはこんな連日、連日、コロナの報道をしていないんですね。
多分、錦織さん、今、イタリアが2万人規模の感染者数って分かってないんじゃないかと思います」と持論を展開。
イタリアの新型コロナ感染者数は3月半ばから右肩下がり
約27000人から5月10日は5077人。死者数は198人。
日本の11日の感染者数は6242人。死者数は113人。大阪は最多の55人が死亡。
分かっていないのは橋下氏の方ではないか。
イタリア在住のディレクターが昨年末の状況を語る。「医療機器の足りない病院では、
医師や看護師を始めとする多くのスタッフが、死と隣りあわせで働き続けました。
その様子は連日連夜テレビをはじめあらゆるメディアで報道されました。
自宅に縛り付けられてなすべきこともない人々は、普段にも増してテレビ画面に見入りました」
と伝えている。
錦織選手は「多くの選手が参加することが予想されるため五輪を開催するのは難しい」
「五輪は今回の大会(イタリア国際)のような100人規模の大会ではない。
選手村には1万人がいて試合をしている。特に今、日本で起きていることは簡単ではない。
うまくいっていない」と錦織選手は日本の厳しい状況を説明した。
錦織選手は自身が昨年8月に新型コロナに感染した経験がある。
また、全豪オープンなど感染対策を施した国際大会にも出場している。
そうした経験を踏まえて「アスリートのことだけを考えればやったほうがいい」としたうえで、
「コロナはとても簡単に広がってしまう。死者がこれだけ出ていることを考えれば、
(五輪は)死人が出てまで行われることではない」と主張。
「1人でも感染者が出るなら気は進まない。コロナの患者が出ない時にやるべきと思う」と、
新型コロナが深刻化する中での東京五輪の開催に疑問を呈した。
‘@至極まっとうな意見だ。
否定するよりも、本人自身が感染し、世界を知っている錦織選手の意見を真摯に受け止め、考察すべきだ。
テニス女子の大坂なおみ選手(23)は9日、イタリア国際開幕前に記者会見し複雑な胸中を語った。
と、スペイン紙「スポルト」が報じている。
大坂選手は「パンデミックが日本でどのように経験されているかについて警告している」とした。
その上で「もちろん、五輪を開催したいのですが、特に過去1年間、
多くの重要なことが起こっていると思います。多くの予想外のことが起こっている。
人々を危険にさらすなら、間違いなく話し合う必要があります。
そしてそれは現在起こっていることです。私はただのアスリートですが、
私たちはそれについて話さなければなりません」と、言葉を選びながら、話し合うことを提言した。
日本ではワクチン接種率が全国民の約2%という低水準が問題視される中、
五輪選手団にワクチンが提供されることにも言及。
大坂選手は「多くの人が入国するので、この点に関して正しい決定を下さなければならない。
私はワクチン接種を受けたが、誰も強制することはできない」と指摘した。
スポーツのプロは、ツアーなどで、試合の勝敗に関係なく、
要請があれば必ず会見を行わなくてはいけない。拒否すれば罰金だ。
会見では多くの質問が飛び、選手の考えを聞かれる。
だから、今回も言葉を選びながらも、いつも通り、応対したのだ。