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​武藤事務総長「やればできる」と、当たり前のことを述べた。

東京オリ・パラ組織委の武藤敏郎事務総長(78)が五輪閉幕から一夜明けた9日、

都内で報道陣の取材に応じた。

人類の危機の中で開催の是か非かが問われ、色んな検討をしたが、

我々としてはコロナを抑制できれば開催できると判断した。

大きな観点からみれば、コロナ対策が機能したと評価。

「やればできる。コロナ対策を講じながら開催したことの意義。人々にも勇気を与えたと思う」と、

自画自賛した。



やればできるのは当たり前で、改めて言うことのものでは無い。

できたのとその開催に意義があったのかは別問題。

参加しなければいままでの苦労が無駄になるのだから、多くのアスリートが参加するのは必然。

インバウンド、巨大な観光業的旨みがあったからこそ日本の権力層は、

IOCの国際的な利権コントローラーに服従してきたのだ。

五輪開催の間、東京や日本は「巨大な祭り」空間となるはずだった。

安倍前総理も、これだけが頼みの綱だった。

しかし、東京五輪は始まる前から終わっていた。

武藤総長は、大会中、アスリートから「開催していただいて感謝します」との声をもらったといい。

「本当に感激した。世論も開催してよかったという意見が増えてきたと理解している」と述べた。

自分に都合のいい意見だけを取り上げ、開催反対の声は最後まで無視した。



コロナ禍で開催を強行した挙句の果てに、新型コロナの感染者数は爆発的に増え、

医療崩壊の中、7000人もの医療従事者を奪い取り、13万食もの食品を廃棄した。

オリンピック開催強行前に判明していたラムダ変異株の国内初確認という事実を、隠蔽していた菅政権。

市民の生命を脅かす危険性のある情報を隠し、入院が必要な感染者でも自宅にいろと指示。

立川相互病院高橋院長は、

「感染者数の推移をみれば、五輪の強行が感染爆発の原因となったことは明らかです。

五輪開催に向かう中で、多くの人たちの気が緩み、自粛をやめてしまったことが主因だと考えます」

と憤る。

「五輪と感染爆発の因果関係を示すエビデンスはない、という指摘をする方がいますが、

現在進行中の事象に対してエビデンスを構築するのはたやすいことではありません。

しかし、(7月22日からの)4連休後に爆発した感染者数の推移を見れば、

五輪が原因となっていることは明らかです。

菅首相小池都知事も、五輪のせいだとは絶対に言わないでしょうが、

これだけ感染が増えているのに即座に五輪を中止しないのは、

もはや倫理的にも問題ではないかと感じています」と訴えた。



また、「若い人は死者数が少ないという楽観的な意見を耳にします。

なぜ死者数が少ないか。それは病院で重症化しないように治療してきたからです。

われわれも一年以上、経験を蓄積し、薬剤の使い方もわかってきました。

看護スタッフも飛沫をあびながらも患者さんのたんを吸引し、肺炎を防いできました。

全国の多くの医療従事者の献身によって、食い止められてきたのです。

今後、病院に入れず自宅療養で亡くなってしまう方、特に40代から50代が増えてくるでしょう。

そうした方を一人でも減らすために何ができるか、知恵を絞り、全力で対応していきたいと思います」

と強調。

8月8日(現地時間)の閉会式終了を待って、アメリカの主要メディアは、東京五輪を総括する批評を掲載。

ニューヨーク・タイムズは、

パンデミックのさなか、日本の一般市民から強い反対があったにもかかわらず、五輪を優先したことは、

組織(IOC)を支える非民主主義的な体質を物語っている」と指摘。

ワシントン・ポストは「五輪を開催したい都市はだんだん減っている。

そのことはIOCに何かを告げているはずだ」と題する記事を掲載。

「フォークを握ったIOCは、日本という嫌がる幼児に強制的に食事をさせようとした。

さて、この話は、誰が権力を持っているかということを痛感させる。明らかに開催都市や国の人々ではない」

記事は、開催都市に残される五輪の「奇妙な」遺産として、東京大会の場合、

実際にかかった費用が154億ドル(約1兆7000億円)で、当初予算(74億ドル)の倍以上になったと指摘。

そこには準備期間のコストは含まれておらず、IOCが開催地に、

それを負担させる仕組みは持続可能ではなく「詐欺以上」だと断じた。

そして、同記事は、

「サヨナラ、トウキョウ。強制してごめんよ。君らの経験を書き留めて、

将来の五輪を開催しようとする都市が、きちんと警告を受けられるようにシェアしておくれ」と皮肉った。

また、政治ニュース専門サイトのアクシオス(Axios)は、

東京大会が「試験に合格した」とするのは時期尚早だとアクシオスは指摘。



その理由として、新型コロナの潜伏期間は数週間あり、大会閉幕直後の現時点ではまだ、

五輪に関係する感染者数の全体像がわからないこと、

さらには首都圏で急増している新規感染者数が五輪開催と関係あるのかどうか、

専門家もまだ結論を出していないことをあげている。

アクシオスは、東京大会に出場した選手が暑さと湿度に苦しんだことも、将来解決すべき課題とする。

地球温暖化による気候変動の影響が顕在化するなか、

五輪を開催する時期や場所の見直しが必須だと強調した。

日本でも報じられているように、海外メディアからはプレスセンターの食事の価格が高い、

競技場との移動に時間がかかるなどの苦情が相次いでいた。

しかし、日本人の五輪スタッフやボランティアは一所懸命に働いていたと称賛する。

ワシントン・ポストは、大会がリスクだったのは事実だと批判。

「五輪があったから新型コロナの感染が広がったのかどうか知るには、しばらく待たなくてはならない。

感染が広がるにせよ、広がらないにせよ、IOCが日本と世界に対して押しつけたリスクだったのは事実だ」

と、冷静に厳しく指弾した。

五輪のバブルは主催者の主張よりもはるかに多くの穴があることを示した。

パンデミックに対処しない限り、安全で、楽しいオリンピックは幻想であることを示した。

日本のメディアは五輪を垂れ流していたから批判はできない。

大会は日本社会に分裂と不信、そして健康と経済的債務の損失を引き起こした。

東京五輪の開催強行は、日本に大きな傷跡を残した。

東京五輪の後に残った借金と感染爆発。国民の苦しみはまだまだ続く。