新型コロナの感染抑制のため、個人の自由の制限に言及した大阪府の吉村洋文知事(45)を、
「有害」と呼んだ兵庫県明石市の泉房穂市長(57)。
後日、謝罪したが、知事のコロナ対策への怒りは収まらない。
「医療崩壊、ベッドが足りない、医師が足りないなんて、全部嘘です。
府知事には病院を潰せるくらい強力な権限があって、ベッド数を増やすくらい簡単なこと。
なんでやらないんですかね、吉村知事は。私にその権限があったらすぐやってます。
私が知事なら病床も逼迫なんかさせません」
医療が危機に瀕しているように見えるのは、日本の病院の9割を占める民間病院から、
十分な協力を得られていないからだという。
「日本の人口1000人あたりの病床数は世界一で、感染者数は欧米の1割。
それでなぜ、問題が生じるのか。海外では公立病院が多いんですが、
日本の医療は民間主導であるのに加えて、医師会が票を握っているから、
政治家がものをよう言わんのですよ。
知事には医師会に指示できる権限が本当はあるんだから、
『民間病院も病床を提供してください、看護師さんを◯名ずつ派遣してください』って言えばいいだけ。
そうすれば、今の状況なんて一気に解決します」と切って捨てた。
明石市は中核市であり、泉市長には、知事や政令指定都市の首長が持つ強力な権限はない。
しかし、5月の連休中に奔走し、新たに市内の14の民間病院から協力を得て、
新型コロナ感染症患者用のベッドを23床から136床に拡充。
さらに、往診のために保健所に常駐する医師を2人から22人に一気に増やした。
「ポイントは、医師会とのパワーバランスと信頼関係です。
まず、医師会は選挙を左右するほど大きな利権団体。
一方、無所属で市長になった私は医師会にすれば敵だったわけで、
私は医師会にはまったく気を遣わなくていい立場なんです。
でも明石市では、18歳以下の医療費と認知症患者の診断費用を無料化したため、
今では医師からとても感謝されています。そんな信頼関係があるから、
私が本気を見せると、怖い顔をしたり脅したりする必要もなく、病院もすぐに協力してくれました。
簡単なことなんです」と説明。
だが、ワクチン接種は全国で遅々として進まない。
明石市に初めてもたらされた量も、わずか1箱だった。
泉市長の怒りの矛先は、菅総理へと向かう。
「高齢者分のワクチンが4月16日に、まさにみかん箱1箱だけ送られてきました。
975回打てるくらいの量です。1人に2回打ちますから、500人分もないんです。
明石市に高齢者は8万3000人いるんですよ。500人分だけ送られたって困るわけです。
さらに、11日後に送られてきたのが、また同じみかん箱1箱だけ。
4月中に送ってきたのはそれだけですわ。
予約が殺到してるのに限られた数しか打てないから、国民の皆さんが怒るわけです。
こんなんトラブるに決まってますやんか。
5月2週めの段階で少し増えて計11箱、だいたい5000人分くらい。
この程度で『ワクチン接種が始まりましたよ、国は精いっぱいやってますよ』
なんて言うのは嘘つきだと思います。
ワクチン確保が遅いうえに嘘をついていることと、
かえって現場を混乱させていることには悪意を感じます。
首相の責任は重大です」と、菅総理に怒りをぶつけた。
菅総理は「1日100万回」とうそぶく一方、
河野大臣からは「1日1万人打てるかどうかは自衛隊の協力次第」という無責任発言が飛び出した。
「河野さんもひどいもんでしょ、平気でペラペラ適当なこと言うて。
自衛隊がどうとか言ってましたが、そんなもん医師会が協力すれば解決する。
問題点は2つ。まず国がワクチンを確保できなかったこと。
にもかかわらず、それをごまかすために各自治体に1箱ずつ配る……
そんな不誠実な政治はないですよ!
そんなことをすれば現場は混乱するに決まってます。
政治家のアリバイづくり、地方への責任転嫁でしかない。総理の大きな責任です。
2つめは、コロナとの戦いは重症患者の病床確保と治療をどうするかに尽きるのに、
民間病院を協力させられてないこと。この2つができていない象徴が大阪、兵庫なんですよ」
と、「政治の責任」という言葉に力を込める泉市長。
菅総理、河野大臣、そして吉村知事……ワクチン行政を空転させる “3バカ” に直言は届くか。
と、週刊FLASHが報じる。