「アスリートが代償を支払っている」
連日熱戦が繰り広げられている東京オリンピックだが、あまりの猛暑に、
不満を訴えるアスリートが続出している。
24日には、アーチェリー女子の予選でロシアのスヴェトラーナ・ゴムボエワが暑さで倒れ、
25日にはテニスの男子シングルス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチらが、
試合時間の変更を求めた。
こうした状況に、海外メディアからも批判の声が噴出している。
中でも、アメリカのヤフースポーツは「日本の組織委員会は天候について嘘をついた。
そして今、アスリートたちが代償を支払わされている」と厳しく糾弾した。
コラムニストを務めるダン・ウェンツェル氏は、
26日午前中に行なわれたトライアスロンのゴール付近が「まるで戦場のようだった」と訴えた。
「何人もの選手が大の字になり、トレーナーがオーバーヒートした選手たちを介助し、
中には両腕を支えられていた選手もいた」と惨状を綴った。
その上で、日本が開催地に立候補した際に、「この時期の東京は穏やかで晴れた日が多く、
アスリートが最高の力を発揮する上で、理想的な天候である」と主張していたことを指摘。
「穏やか? 理想的? 7月のこの東京が?」と、あざ笑った上で、
「日本はそれが嘘だと知っていた。東京に住んでいる人間なら、
真夏の気候が『穏やか』でも『理想的』でもないことは誰でも知っている」と怒りをぶちまけた。
また、記事では、アメリカでの放映権を持つ『NBC』が、
NFLやカレッジ・フットボールのシーズンと重ならない、
7月中旬~8月下旬の開催を希望していることにも言及。
(最初からの作戦)
日本の組織委員会がそれに合わせて「牧歌的な夏という馬鹿げたイメージ」を作り上げて、
立候補地として売り込み、IOCもそれを黙認したと切って捨てた。
組織委員会の小谷実可子スポーツディレクターは25日、ジョコビッチらの訴えについて、
「選手の健康のために早急に検討したい」とコメントしつつ、
「十分な氷と水を用意している」と語っているが、海外から来たアスリートの大半は否定的だ。
(世界にウソを付いた人たち)
ウェンツェル氏は、
「東京はモダンで、フレンドリーで、美しく、清潔だ。信じられないほど素晴らしい都市だ。
この時期を除いては」と強烈に皮肉った。
(晴れて、世界が認めるウソ付きとなった)