東京の入院超で 受け入れ先なく埼玉への搬送も。
新型コロナの感染の急拡大で、都内では入院患者が3500人を超えて最多となり、
自宅で療養する人も1万7000人を超えた。
こうした中、都内で受け入れ先が見つからない患者が、埼玉県の病院に搬送されるケースもみられる。
埼玉県川越市にある埼玉医科大学総合医療センターには、今週、都内に住む40代の女性の受け入れ要請があった。
病院によると、女性は5日間、自宅で療養していたが、血液中の酸素の値が下がったため、
保健所が入院調整を行ったという。
しかし、受け入れ先はなく、その後も救急隊員が入院先を探したが断られ続け、
救急車の車内にとどまるなど、6時間余り、病院は見つからなかったという。
そして、東京都と埼玉県が調整し、都心から50キロほど離れたこの病院に搬送されたという。
この病院では、連日のように入院要請があり、先週から重症用の病床6床がほとんど埋まるなど、
病床は常時ひっ迫しているが、9日は患者の退院が続いたため、
一時的にベッドに空きがあり、受け入れができたという。
この患者は、入院時すでに酸素の投与が必要な「中等症2」と呼ばれる状態だった。
第5波では、基礎疾患がなく大きな病気にかかったこともない40代や50代の世代が、
「中等症2」の状態になるケースが相次ぎ、その中から、「重症」にまで悪化する患者もみられるという。
先週、埼玉医科大学総合医療センターでは、県内に住む40代の女性が肺炎が悪化し、
酸素投与では呼吸が保てず、人工呼吸器をつけなければならない状態になっていた。
女性は、先月下旬に感染したが、基礎疾患もなく年齢も若いことから自宅で療養していた。
しかし血液中の酸素の値が下がり、「重症」の手前で、酸素の投与が必要な「中等症2」の状態になり、
入院を余儀なくされた。
入院後、投薬治療などが施されたが、容体は改善せず、重症化し、人工呼吸器をつけることになったという。
会社勤めの62歳の男性は、先月下旬に発熱などの症状が出てから急速に容体が悪化し、
発症後わずか4日で人工呼吸器をつけるまでに重症化した。
第5波では症状の悪化が速いという。
治療にあたった岡秀昭医師は「これまでは“おそらく大丈夫”と思っていた年齢やステータスの患者が、
悪化するケースが相次いでいて、どのような患者層がいつ重症化するのか、読めなくなってきた」と話す。
その上で「(第5波では)中等症2から重症に急激に悪化することがあり、
今回のように搬送先が見つからなければ、命を失ってもおかしくない。
適切な治療を行えば助けられるものが、その治療にたどり着けず、
残念ながら命が失われてしまう状況になってくると思う」と危機感を訴えた。
‘@それでも国や都は、自宅で耐えろという。