共同通信・石井暁「大臣はかつて脱原発の考え方をお持ちでしたが現在は?」
河野防衛大臣「所管外です」
共同「一政治家として…」
河野大臣「所管外です」
共同「一政治家として…」
河野大臣「結構です」
共同「何で答えない」
河野大臣「閣僚ですので、所管の中のものを答えます」
河野大臣は8日、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー政策に関する見解を示した。
「安全が確認された原発を再稼働するのはカーボンニュートラルを目指すうえである程度必要だ」と、
「原発再稼働」容認の姿勢を示した。
その上で、「再生可能エネルギーを最優先に広く取り入れていくのが基本だ」としながら、
「いずれ原子力はなくなっていくだろうが、あした、来年やめろというつもりではない」と、
私の読み通りの弁明をした。
河野大臣は、11年、当時俳優だった山本太郎参議院議員と原発を進める政権を猛批判。
二人で「脱原発」という色紙まで書いてアピールした。
河野大臣は<『核のゴミ』問題が解決しないままでの原発再稼働を『無責任』だと主張。
九州電力川内原発1号機について、「再稼働する前に、使用済み核燃料とどう向き合うか、
国民を巻き込んでしっかり議論するべき」と主張。
「核のゴミに目をつぶり、やみくもに再稼働しようというのは無責任です>と、ブログに書いていた。
しかし、2015年10月7日に入閣が決まると、主張していたブログの記事を削除した。
2011年9月19日に明治公園で行われた「さようなら原発5万人集会」では、「子どもを守ろう」と呼びかけた。
山本 恥ずかしながら、僕は原発問題について〝3・11デビュー〟なのですが、
フクシマの事故以降、河野さんのことは気になっていました。
ずっと原発推進でやってきた自民党の中で、一貫して「脱原発」を訴えていたのは河野さんぐらいですよね。
河野 山本さんは、本来は政治家がやらなければならないこと、訴えなければいけないことを、
職をなげうってまでしている。
東電批判は長らく政界でもタブーとされてきましたが、東電が巨大スポンサーとして君臨する芸能界でも、
アンタッチャブルな存在とされてきましたよね。
山本 はい。実際僕も今、事実上干されていますし。
河野 自民党は電力会社から政治献金をもらっていたという理由で、
民主党は電力会社の労働組合の票が欲しいという理由で、それぞれ原子力にすり寄りました。
だから仮に自民党政権で3・11が起きたとしても、原発事故の重大性を隠蔽するという、
民主党と同様の事態を引き起こした可能性は否定できません。
実際、私は2年前に自民党の総裁選に出た時、推薦人になってくれたある人から、
「応援はするが、その代わり選挙期間中は原発の〝げ〟の字も出すな」と言われました。
山本、ところで、河野さんはずっと前から、原発から再生可能エネルギーへのシフトを訴えてきましたよね。
地震の活動期に入っても稼働している原発があること自体、クレージーですが、
やっぱり一斉停止は難しいんですか?
河野 結論から言うと、おそらく原発を全基止めても、皆さんにこれだけ節電に協力していただいているので、
電力不足でパニックになることはないと思います。
こう言うと原発推進派は、「じゃあ火力で何か事故が起きた時にどうするのか」と反論しますが、
例えば東京都は『コンバインドサイクル』という100万キロワットの天然ガスの発電所を作ると宣言しているし、
全国でも原発に代わるエネルギーへのシフトは進んでいるんです。
しかし、化石燃料ほどではないにしても天然ガスも二酸化炭素を出すので、
「京都議定書」を遵守するためには、それ以外で二酸化炭素の削減をかなりやらなければならない。
また、そのためのコストも嵩んできます。
しかし、「それでも脱原発に舵を切るんだ」という国民のコンセンサスが得られれば、
原発を即時停止するという選択肢にも、十分に実現可能性があると思います。