米FOXニュースは22日、米国務省が在ウクライナ大使館員の家族に対し、
24日にも国外へ退避を始めるよう命じたと報じた。
当局者の一人は、国務省が一般の米国人に対しても民間機での退避を近く促す見通しを明らかにした。
バイデン大統領は会見で「私の推測では、プーチン大統領はウクライナに侵攻する考えだろう」と述べた。
ロシアはウクライナ国境付近に約10万人の部隊を展開。
「ロシアが侵攻すれば、その責任を負うことになる。どういう行動を取るか次第だ」とし、
「ウクライナにさらに侵攻するなら、ロシアにとって大惨事になるだろう」と述べた。
ホワイトハウスのサキ報道官はバイデン大統領の会見後、
「ロシア軍がウクライナとの国境を超えて移動すれば、それは侵攻であり、
米国と同盟国は迅速に厳しく一致団結して対応する」と強調。
18日、記者会見で「事態は今、極めて危険な状況だ。
ロシアによるウクライナへの攻撃はいつ起きてもおかしくない」と述べ、危機感を示した。
ブリンケン米国務長官は19日、ウクライナを訪問し、
ロシアが「極めて短い予告」でウクライナを攻撃する恐れがあるとの認識を示した。
同時に、米政府は可能な限り外交的解決策を模索すると述べた。
ブリンケン長官はウクライナ訪問後、21日にスイスのジュネーブでロシアのラブロフ外相と会談。
ロシア軍の国境集結で緊張が続くウクライナ情勢を約1時間半にわたり協議した。
会談では、NATO不拡大などのロシアの要求に書面で回答することで一致。
衝突回避に向けた協議を継続することになった。
ブリンケン長官は会談後の会見で「議論は率直で中身のあるものだった」と述べた。
ロシア軍侵攻には「団結した迅速かつ厳しい対応を取る」と表明。
ウクライナの主権を擁護する米国の立場を改めて訴えた。
また、欧州諸国と検討した緊張緩和策も提示したが「交渉ではなく意見交換だった」という。
一方、ラブロフ外相はNATO不拡大などを求めるロシアの要求に対し、
「来週に書面による回答をわれわれに提示することで合意した」と話した。
「ロシアは一度たりともウクライナ国民を脅したことはない」と主張し、侵攻の意図も改めて否定した。
バイデン大統領は米ロ首脳会談について「まだ可能だ」と指摘。
ただ、ウクライナ問題が「制御不能になる恐れがある」と懸念していることも明かした。
ロシアのウクライナ侵攻には ロシアにドル取引停止を警告。
ロシア国防省は20日、海軍が今月から2月にかけて、ロシア近海のほか、
地中海や北海、オホーツク海、太平洋などで演習を行うと発表。
140隻以上の艦艇や60機以上の航空機を投入し、兵士約1万人が参加する。
ウクライナ情勢が緊迫する中、米欧をけん制。
国防省は「世界の海洋におけるロシアの国益を守るために海空軍力を向上させ、
海洋からの軍事的脅威に対抗する」ことが演習の目的だと説明。
また、ロシア、中国、イランの3カ国による合同軍事演習が中東のオマーン湾で22日まで実施されると発表。
演習には太平洋艦隊のミサイル巡洋艦や駆逐艦などが参加し、砲撃訓練などを行う。
太平洋艦隊の艦船はその後地中海に向かい、北方艦隊やバルト艦隊と合流して演習を実施するとしている。
米国防総省は21日、ロシアが侵攻に踏み切った場合、バイデン大統領の承認に委ねる、
軍事行動の一連の選択肢を取りまとめていることを明らかにした。
同当局者によると、これら選択肢には欧州内に既に配備したり、
欧州外で手当てが出来たりする装備品や兵力の移動が含まれる。
ロシア軍が侵攻したとなれば米軍や装備品の移動は間違いなく実施されるだろうと述べた。
一部の部隊は演習や訓練の形式で動員される可能性もあると指摘。
兵力の新たな展開とは別に、兵器提供も考慮されるだろうとし、これらの選択肢は制裁策で補完され得ると。
米軍の軍事的な目標は、NATO加盟の欧州の同盟国が求めている能力を満たすこととも説明。
米軍部隊は欧州で現状に従い単独で行動するであろうが、NATOの指揮系統の下に入り、
作戦遂行に当たる可能性もあると示唆。
米軍特殊部隊はウクライナ内で同国特殊部隊の訓練支援に従事しているが、この任務は維持するとした。