「2022年にもなって…」
プーチン率いるロシア軍がウクライナのブチャなどで多数の民間人を殺害したことは、
中国国内でも波紋を広げている。
中国政府はロシアを名指しした批判は避けているものの、その衝撃は隠せず、
中国のSNS上では「ブチャ虐殺事件」とのキーワードで、
「2022年にもなってこんな事件が起きるのか」といったコメントが拡散している。
SNS上では戦地の残虐な写真や映像が拡散。
「全世界がロシアの蛮行を非難している」「国内の主流メディアはなぜちゃんと報じないのか」
などとしたコメントがついていた。
中国国内の検閲により削除されたコメントもあるようだ。
しかし、国営メディアでも海外向けの中国国際テレビ(CGTN)はツイッター上で、
ロシア軍がブチャを掌握していた日に撮影された遺体が路上に確認できることや、
EUのフォンデアライエン欧州委員長の「戦争犯罪だ」との批判を英語で伝えている。
こうしたCGTNの報道を見つけ、「ほら、国営メディアも伝えている。これなら削除できないだろう」
とのコメントをつけて発信する中国内のインターネットユーザーもいた。
中国外務省の趙立堅副報道局長は6日の記者会見で、
「ブチャの一般人が死亡したとの報道や映像は、人々に非常な懸念を与えるものだ。
事件の真相と原因は必ずはっきりされなければならない」と、中立的な立場を強調。
「結論が出るまでは各方面は自制すべきだ」とも述べ、ロシア非難を避けた。
中国政府や国営メディアは、いつまでロシアを庇い続けられるのか。
被害の実態が明らかになるにつれ、立ち位置がより厳しくなってくる。