厚生労働省の20日の公開審議で、専門家らは塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」に対し、
緊急承認制度を適用することを見送った。
塩野義が5月末に行った緊急承認の適用申請からすでに約2カ月。
同社の最終段階の治験の結果は秋ごろにまとまる見通しで、審議はそれ以後の再開となる。
審議の最大の焦点は有効性の評価だ。
科会の太田茂会長は「データから有効性は推定されないとの意見が多くを占めた。
(治験の)結果を待って改めて審議したい」と会合を締めくくった。
塩野義製薬が追加データとして提出した、
オミクロン株に特徴的な呼吸器症状などでは改善が見られたとするデータについても、
「何度も解析すると優位になることが出るのはよくあること」として、
有利なデータが出るまで何度も解析を行った塩野義製薬のやり方を批判。
他の委員からも「オミクロン株に特化しても非常にいい効果があるように見えない」といった意見や、
データ不足を指摘する声が相次いだ。
‘@端的に言えば、今のところ有効性は認められないということだ。
副作用も懸念される。
「ゾコーバ」を、無理やり押し通そうとする勢力もあるが、
トップが変わると風通しが良くなり、事実が語られるのは良いことだ。