韓国一人当たりGDP日本に肉薄。
韓国の経済成長は4-6月(第2四半期)に加速した。
家計消費や政府支出によって、インフレ高進やロシアのウクライナ侵攻による、
貿易への打撃を吸収することができた。
26日発表の韓国銀行(中央銀行)のデータによると、4-6月期のGDPは前期比0.7%増と、
エコノミスト予想(0.4%増)を上回った。
前年同期比では2.9%増と、こちらも予想を上回った。
最近急落している日本円が1ドル=140円になれば、日本の1人当たりGDPが韓国を下回るとする分析が示された。
今年の初めには1ドル=115円程度であったが、7月14日には139円となった。
2017年の段階で欧米の経済専門家は韓国が日本を追い抜くことは難しいと見ていた。
その後、2019年にIMFが「2023年に1人当たりGDPで韓国が日本を追い抜く」との予想を出した。
2023年の日本の1人当たりGDPが4万1253ドルなのに対して韓国は4万1362ドル。
10年ほど前に「打倒サムスン」が叫ばれたことがある。
しかし、サムスンは打倒できなかったどころか、日本の半導体はボロボロだ。
企業の時価総額はトヨタが世界39位の2110億ドル、韓国のサムスン電子は25位の2991億ドル。
韓国の経済成長率は低下しつつあるとはいえ、まだ日本より高い。この状況は今後も続き、
それどころか、韓国は日本より豊かな国になると予測されている。
なぜこんなことになったのか。
日本の経済界からは、日本の製造業がふるわない原因として、
1つが円高であり、もう1つは法人税だとの声が強かった。
それから10年が経って、アベノミクスによって大幅な円安が進んだ。
法人税についても30%だった税率は、現在の23.2%まで引き下げられた。
経済界が望んだようになったのだから、日本の製造業は復活してしかるべきだ。
だが、残念ながら日本の企業は世界ランキングで大きな差がついてしまった。
日本の製造業の没落は、円高や法人税のせいではなかったということになる。
韓国は成長率が鈍化しているという指摘がある。
たしかに、データを見ると、成長率が徐々に落ちている。
だが、2%台の成長率というのは、日本に比べれば高い。
世界の先進国と比べても遜色がない。
また、コロナ期においても、韓国経済のパフォーマンスは良好だった。
日本では、2020年にマイナス成長になり、2021年においても、実質GDPは2019年より2.4%少ない。
2022年になっても、2019年から0.8%増えるに過ぎない。
韓国は成長率が低下しているものの、なおかつ高い水準だ。
バレちゃう!バレちゃう!
アベノミクスによって大幅な円安が進んだ2013年頃から、ウォンが顕著に増価した。
アベノミクスが始まる前の2012年の数字を見ると、日本の1人当たりGDPはアメリカと同程度であり、
韓国の約2倍だった。
貧しい日本はGDPだけでなく、実質賃金水準にもはっきり表れている。
日本人が実際に貧しくなり、日本の産業が弱くなったことを表している。