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​脳にグルタミン酸蓄積の毒性。

なぜ頭を使うと疲れるのか。


仕事で10時間ディスプレイを見続けたり、長い論文を読解したりするなど、

脳を使う持久力勝負をしたとき。

そうした作業の後は、脳がもうろうとし疲れた気持ちになる。

人間の脳は、ある時点で思考を物理的に妨げられることがあるという。

そのような感覚は「精神的疲労」と呼ばれる。




眠いわけではないが精神が弱り、それまでは出来ていた複雑な思考を続けるのが非常に難しくなる。

8月11日付でCurrent Biologyに掲載された論文によると、長時間にわたる激しい認知活動が行われると、

脳内にはグルタミン酸と呼ばれるアミノ酸の一種のような、潜在的に毒性のある副産物が蓄積されるという。

この副産物は、人間の意思決定を調整し、根を詰めて考えることをやめさせ、

よりリラックスしたストレスの少ない活動に導くと考えられている。

この論文の筆頭著者で仏ピティエサルペトリエール大学のマティアス・ペシグリオーネ氏は、

疲労は、人間に作業を中断させ、より快適な活動に向かわせるために脳が作り出す幻想だとする理論が有力だ。

だが、われわれの研究結果は、認知作業が実際の機能的変化(有害物質の蓄積)をもたらすことを示している。

したがって、疲労は確かに人間に仕事を中断させる合図ではあるが、

脳機能の完全性を維持するためという、別の目的もあると考えられる」

「プロのチェスプレーヤーでさえ、通常ゲームを開始してから4~5時間もすると、

しないようなミスをし始める」と著者らは論文に書いている。



因果関係を確認するには、さらに実験する必要がある。論文には「それでもやはり、グルタミン酸の調節は、

脳のエネルギー収支の重要な要素だと指摘されており、認知疲労潜在的な原因として議論されている」とある。

では、認知疲労に解決策はあるのだろうか。

ペシグリオーネ氏によると残念ながら解決策はないが、古き良き方法、休息と睡眠が効果的だろう。

睡眠中にグルタミン酸シナプスから除去されるという証拠があるという。

つまり、精神的活動も、肉体的活動と同じように考えればいいようだ。