政治・経済、疑問に思うこと!

より良い日本へ願いを込めて。

​​日本は「超過死亡増加」の深刻さをわかってない。

東洋経済オンライン(上 昌広 :医療ガバナンス研究所理事長)


抜粋。

日本の死亡者数が急増している。厚生労働省の人口動態統計(概数)によれば、

今年1~3月には約42万人が亡くなり、死亡数は前年より約3万8000人(10%)増えていた。

さらに、共同通信によれば、今年1~6月までに、約77万7000人が死亡し、

例年の死者数と比べた「超過死亡」は1万7000~4万6000人と推計。

共同通信は、その理由について、「増加の要因として、新型コロナによる直接死のほか、

医療逼迫の影響で医療機関にアクセスできず新型コロナ以外の疾患で亡くなったケース、

外出抑制など生活習慣の変化に伴い持病が悪化したケース、

経済的な困窮によって自殺したケースなど間接的な影響も考えられると専門家はみている」と報じている。

(反ワクチンは派これをワクチン接種のせいだと言っている。‘@)



私は、この報道をみて、あまりにも認識が甘いことに驚いた。

わが国の「超過死亡」が多いのは、今に始まった話ではない。半年以上前に世界のメディアが指摘している。

きっかけは、3月10日に、アメリカ・ワシントン大学の研究チームが、

イギリス『ランセット』に74カ国と地域を対象に、2020年1月から2021年12月までの超過死亡を推定した論文を発表。

この研究で、日本の超過死亡数は11万1000人と『推定』され、確認されたコロナによる死者1万8400人の6.0倍だった。

この数字は、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中で最大。

つまり、日本の超過死亡の多さは、2021年末の段階ですでに問題だったのだ。

もっとも考えられる原因は、長期の自粛により持病を悪化させた高齢者が多かったことだろう。


(22年は何も対策をしなかったからとは読み取れないのか。
新形コロナと判定されても自宅に放置され亡くなった人も多数いる。)

日本経済新聞は10月16日の記事「コロナ以外の死因大幅増1~3月、高齢者の在宅死影響か」の中で、

「死因別では、最も増加したのは心不全など『循環器系の疾患』で約1万人(10%)増えており、

「老衰」も約8000人(21%)増えた」と論じている。

特記すべきは、3月10日の『ランセット』や『ネイチャー』の論文、記事での日本に関する情報を、

国内のマスコミは、一紙も報じなかったことだ。

相双地区で避難した高齢者の死亡率は、被災しなかった人と比較して2.68倍も高かった。

福島県で被曝が原因で亡くなった人はいないから、

死亡者の増加は原発事故後のストレスと生活習慣の変化が原因と言っていい。

これこそが、福島第一原発事故の教訓だ。

わが国のコロナ対策は科学的に合理的でないのだ。


(超過死亡は日本だけではないようだが)


もし、3月の段階で、高齢者の自粛を方向転換していれば、その後の超過死亡は、ある程度予防できていたはずだ。

コロナ対策見直しの好機を逸してしまった。

なぜ、こうなるのか。厚労省や周囲の専門家が、国民の命より、コロナ感染者数に関心があるのかもしれないし、

彼らが実力不足で、世界的な議論をフォローアップできないだけかもしれない。

さらに、メディアも、彼らの主張をそのまま報じる。世界レベルの議論についていける記者が少ないのだろう。

わが国のコロナ対策は、現状のまま、予算を増やし、司令塔を強化しても迷走をつづけるだろう。

なぜ、世界の一流科学誌・医学誌に発表された研究成果を「無視」するのか、

その原因を分析し、適切に体制を整備しなければならない。

第8波は、すぐそこまできている。体制刷新は待ったなしだ。