ボルソナロ大統領敗北宣言せず。
南米ブラジルの大統領選決選投票に敗れた現職右派のボルソナロ大統領は、
10月31日も敗北を宣言せず、沈黙を貫いた。
ボルソナロ氏の支持者は選挙結果に抗議し、全国230カ所以上で道路を封鎖。
この影響で、サンパウロ近郊のグアルリョス国際空港ではスタッフが到着できずに欠航が相次ぎ、
日本人客にも影響が出ている。深夜便がほぼ全便、欠航した。
空港周辺は治安が悪く、サンパウロ州では昨年、1日あたりの殺人が約7件、強盗は約700件発生。
凶悪事件の9割で銃が使用されている。
10月30日のブラジル大統領選決選投票で敗北が決まったボルソナロ大統領は、
11月1日に演説し、自身に投票してくれた有権者に感謝の意を表明した。
正式な敗北宣言は拒否しつつも憲法の規定は尊重すると繰り返し、来年1月1日の政権移行に応じる姿勢を示唆。
得票数確定後にボルソナロ氏が公式の発言を行ったのは今回が初めて。
同氏支持者による道路封鎖などの選挙結果への抗議行動が発生し、
勝利したルラ元大統領の政権復帰を阻むため軍にクーデターを呼びかけるなど不穏な動きも一部で見られた。
ボルソナロ大統領は、選挙結果を巡る「消化不良と不公平感」の表れだと指摘しながらも、
資産の破壊や交通の妨げをするべきでないと支持者に訴えた。
一方ボルソナロ氏の側近らは既に、ルラ氏陣営と政権移行の協議を開始。
ノゲイラ大統領首席補佐官はボルソナロ氏の演説後、ボルソナロ氏からルラ氏側の代表者とともに、
政権移行手続きを始めることを認められたと明かした。