東京都が外部の分析ツールを活用し、予算状況や財政収支などを可視化する、
「都財政の見える化ボード」を公式Webサイトで公開してから間もなく丸2年を迎えようとしている。
可視化には米マイクロソフト製の分析ツール「Power BI」を活用。
このうち予算のカテゴリーでは、全体の財政規模に加え、歳出・歳入、都債発行額などをグラフで示している。
データのダウンロード機能も備え、都民や事業者向けにオープンデータとしての活用も促す。
7月には全国で初めての取り組みとなる「補助金サーチ」を公開。
都の補助金情報を網羅し、事業者などに情報提供している。
都財務局の担当者は「開始当時、同様の取り組みを本格的に実施している自治体はなかったと承知している」と話す。
ただ、課題も見えてきた。行政特有の縦割りと、区市町村事業との連携だ。
全局が可視化に取り組めている状況ではない。
都内の区市町村とも、行政区分が異なることから連携が進んでいない。
都庁内外との連携が進めば、利便性はさらに増すはずだ。
都財務局財政課は「今後も引き続き、適切に情報が伝わるよう工夫をしていきたい」と意気込む。
他自治体に対しては「可視化に取り組みたいと思いつつ、踏み切れていない自治体もあるのではないか。
Power BIは便利なツール。使い方はそこまで難しくないので、是非使ってほしい。
財務局に問い合わせてくれれば、使い方などをレクチャーできる」と呼び掛けた。
東京都はコロナ禍初期で、元ヤフー社長の宮坂学副知事指揮の下、
「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」を“爆速開発”。ソースコード共有サイト「GitHub」にも公開し、
他自治体でも利用できるようにした点が評価され、日本デザイン振興会の20年度グッドデザイン金賞を受賞した。