米国防総省(ペンタゴン)情報局(DIA)は、統一教会が4500億円もの巨額の資金を、
北朝鮮に送金していたとの情報を掴んでいたことが、「文藝春秋」の調査で判明。
1991年12月、統一教会の文鮮明教祖は北朝鮮を訪問し、金日成主席(当時)と初会談。
統一教会はそれまで韓国国家安全企画部(KCIA)と密接な関係を保ち、国際勝共連合を主宰し、
強烈な反共を掲げてきただけに、2人が抱擁し盃を交わすシーンは世界に衝撃を与えた。
この会談の“真の目的”とは何であったのか。DIAは北朝鮮と統一教会の接近を危険視し密かに監視を続けてきた。
文鮮明が1954年に韓国で統一教会を創立して以来、彼は反共運動の指導者だとして北朝鮮は激しく批判。
一方、文鮮明も金日成前主席は偽の救世主(メシア)であるとして、北朝鮮を批判。
そんな関係の双方を、1991年11月、在米韓国人の朴敬允が仲介人として、
文鮮明の北朝鮮入国のビザを手配し、文鮮明と金日成の会見をアレンジした。
朴敬允は親北系の会社として知られる「金剛山国際グループ」の会長。
11月30日から12月7日の間、文鮮明は北朝鮮を訪問し、金日成主席との会見を許可された。
韓国在住のジャーナリスト柳錫氏は、機密解除されたDIAの2通の報告書を入手。
会談において、文鮮明は北朝鮮に4500億円を寄贈したとされている。
1993年、統一教会は米国ペンシルベニア州にある不動産の一部を売却。
その売却利益は約300万ドルにのぼり、中国の銀行を通じて韓国の「サムスン・グループ」の香港支社に送金された。
その資金はのちに金正日に誕生日祝いとしてプレゼントされたという。
統一教会が北朝鮮で展開していた自動車メーカー「平和自動車」の元最高責任者は、
北朝鮮への“資金提供ルート”を明かした。
「日本から北朝鮮に直接送金したら、大変なことになります。日朝の外交関係は緊迫しているので。
まず韓国に送金し、韓国でマネーロンダリングをした後に香港に送る。
さらに香港から平壌に送金される。これが基本的な流れです」