新型コロナ後遺症調査結果、豊中市。
新型コロナ発症から1ヶ月時点での症状の頻度(豊中市調査より)
12月14日に豊中市から、新型コロナに感染した4000人についての後遺症のデータが発表された。
後遺症の定義は様々だが「発症から少なくとも4週以上経過してからも続いている症状」を指すことが多く、
この中には咳など発症時からある症状もあれば、脱毛など回復してから新たに出るものもある。
新型コロナ感染後遺症がなぜ起こるのかについては、まだ十分分かっていない。
・4047名(男性45.5%、女性54.5%)が参加
・平均年齢は44.3歳
・基礎疾患ありの方が42.8%
・78%が2回以上ワクチン接種済み
自宅療養後も47.7%の人が何らかの症状が残っていた。
新型コロナに感染すると発熱や咳、のどの痛み、など様々な症状が出現。
発症から1ヶ月後時点で日常生活に支障をきたしていた人が1.6%
発症から1ヶ月経っても続いていた症状の中で、最も多かったのは「倦怠感」「日常生活に支障」「脱毛」「咳」。
「日常生活に支障」というのは、職場復帰ができない、元通りの生活ができない、といったことを指します。
また、「もの忘れ」「集中力低下」「不安感」といった症状が残っている人もみられた。
これらの頻度は、日本で行われた過去の報告と比べると、かなり少なくなっている。
それでも、オミクロン株になってから感染者数が2300万人にも増えていることを考えると、
この頻度は決して楽観視できない。
なお、何らかの症状が1つでも残っている人は、発症から1ヶ月の時点で5.2%、
2ヶ月で3.7%、100日で2.5%となっており、基本的にほとんどの人が時間経過によって症状が改善していく。
豊中市の調査では、新型コロナの急性期に重症だった人は、軽症だった人と比べて5倍ほど後遺症を経験しやすい。
また統計学的に有意ではないものの、女性の方が後遺症になりやすい傾向、
ワクチン接種回数が多いほど後遺症を経験しにくい傾向が観察された。
これらの結果はいずれも海外の報告の結果と一致している。
オミクロン株での感染者が大多数を占める中でも、発症から1ヶ月経っても、
約20人に1人がなんらかの症状が続いているという結果は軽視できるものではない。
オミクロン株になってからは、感染したときの重症化リスクは低くなっていると言われているが、
後遺症のことを考えると、やはり感染しないに越したことははない。
政府は後遺症に関しては無視しているようだ。