日本学術会議の梶田隆章会長は17日の総会で、
会員選考に第三者の委員会を関与させることなどを盛り込んだ政府の学術会議見直し案に対し、
海外の自然科学系のノーベル賞受賞者61人から懸念を表明する共同声明を受け取ったと発表。
梶田会長は「世界の傑出した多くの科学者からメッセージが寄せられた。
(科学者組織の)独立性が重大な関心事であることを改めて確認できた」と話した。
政府案を巡っては、2月に東京工業大の大隅良典栄誉教授など国内のノーベル賞受賞者ら8人が、
「学術の独立性(を損なう)といった根源的かつ重要な問題につながる」と危惧する声明を公表。
梶田会長によると、今回の海外からの共同声明は「日本の8人が表明した懸念を共有し、全面的に支持する」としている。
日本学術会議は18日、東京都内で2日間にわたって開いた総会で、
学術会議法改正案の今国会への提出を思いとどまり、開かれた協議の場を設けるよう、政府に勧告。
勧告は同法の規定に基づくもので、政府に対する最も強い意思表明となる。
法的拘束力はないが、改正案提出を目指す政府に最後のカードを切った格好だ。
梶田隆章会長は「政府は勧告という形で表明する我々の強い思いを真摯に受け止めて検討されることを期待している」と述べた。
一連の問題は菅義偉前総理による任命拒否問題に端を発した。
学術会議側からは、会員選考に第三者の介入を懸念する声が出ている。
内閣府側は「(法改正で)政府の介入は一切ない」と弁明したが、会員からは「不透明な形で介入される」「独立性を脅かす」など反対の声が上がった。
内閣府側が「制度的な透明性を確保できないとすると、国の機関にとどまり続けることも難しい」とけん制。
学術会議はこの日、政府に対話を求める声明も出した。
改正案に盛り込まれた選考諮問委の設置や中期業務運営計画の策定について、
「学術会議の独立性を毀損する」と改めて指摘。
「日本の学術の終わりの始まりとしてはならない」と訴えた。
‘@政府も科学者を敵視して、科学立国を目指すことと真逆のことをやらないで、
鷹揚に構えて、科学者らを受け止めて、世界に発信すべきだ。
菅義偉議員の強い意向があるのだろうが、みっともない真似をすべきではない。