モスクワでは、プーチンが国民を鼓舞する演説をした一方で、戦場にいるプリゴジンは怒っていた。
プリゴジンは額に深いしわを作りながら、カメラに向かって吠えた。
「バフムトを離れたら、母国への反逆とみなす」だと…。弾薬が無ければ、我々は離れる。本当に母国を裏切っているのは誰なのか、問いただしてやる。
ロシア政府とロシア軍幹部は祖国を守れないと厳しく糾弾した。
弾薬の供給を訴え続けてきたプリゴジン。しかし、届いた弾薬は、要求のわずか10パーセントだという。
プリゴジンはこの発言を自身のテレグラム・チャンネルでおこなったが、
その前から「戦勝記念日の祝賀パレードが終わったら自身の見解を明らかにする」としていた。
東部の激戦地バフムトで戦うための弾薬を提供しないロシア国防省を激しく非難、バフムトからの撤退もほのめかしていた。
政府から部隊が持ち場を離れれば、それは「反逆」と見なされると言われたという。
弾薬が足りなくて撤退する場合、反逆者はどっちだとプリゴジンは訴える。
必要な弾薬はすべて与えるとも言われたが、「それはワグネルに去られては困るからで、感情的な話だ」と述べた。
ワグネルの部隊が撤退すれば、「ウクライナ軍は、ロストフ(ウクライナとの国境に面したロシアの州)に達するだろう」と指摘。
また「ロシア軍の一部隊が持ち場を放棄して脱走」し、前線に2キロにわたる穴を開けたという。
「前線が崩壊しないようにするため、あらゆる手を尽くしているところだ」と説明。
ロシア西部のベルゴロド州に対して、ウクライナ軍によるものとされる越境攻撃(ウクライナは否定)が増えていることに触れ、
当地の住民は「パニックにはなっていないが、おおいに心配している。なぜ政府は自国民を守れないのか?」と憤慨。
プリゴジンによれば、ウクライナ軍はバフムト防衛線の側面を突き、ザポリージャで再結集し、まもなく「反攻を始める」という。
そんなときにロシア軍兵士が塹壕から逃げ出すのは司令官の責任だとし、「兵士は、リーダーの愚かさのせいで死ぬべきではない」。
「各地の部隊指導者たちは、上からくる犯罪的に愚かな命令に従わされている」として「ロシアの破壊、祖国への裏切りともいうべき犯罪だ」と怒りを露にした。
‘@わたしの見立て通り、ロシアのワグネルへの武器供給はプーチンの演説の時間稼ぎだった。
プリゴジンはどうするのか。
ウクライナは、プリゴジンがロシア軍が逃げたと非難した後、バフムトの近くで反撃が効果的であると述べた。
少なくとも2人のロシア軍ブロガーが、バフムト市周辺のロシア軍の状況が悪化していると報告。