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トロントのマンション投資家、大半が赤字。

2022年に住宅ローンを組んでカナダ・トロントの新築マンションを購入した投資家は、その大半が毎月損失を出しているという。

こうした展開は、北米で最もタイトな賃貸市場の一つであるトロントで、今後の建設計画に抑制がかかることになりかねない。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)とトロントの調査会社アーバネーションの29日のリポートによると、

昨年は初めて、トロント大都市圏(GTA)で住宅ローンを組んで新築マンションを購入した投資家の半数以上が賃貸収入で関連コストを賄いきれなかったことが明らかになった。

住宅ローンの支払いや税金など毎月の支出が賃貸収入を上回ったためで、投資家は差額を自己負担せざるを得ない状態だという。

こうした動きは長年、賃貸住宅の需要急増への対応をマンション供給に頼ってきたカナダ最大の都市に、広範囲にわたって影響を与える可能性がある。

カナダは先進国の中で最も急速に移民が増加している国で、多くの個人投資家はここ数年、今後も需要が増え続けるとの予想から、

建設工事が全く始まっていない物件の先行販売で手付金を支払うことをいとわなかった。

購入代金の大半を支払う必要が生じるまでには、家賃が間違いなくコストを上回るとの皮算用からだった。



だが、昨年、契約をまとめた人たちにとって、経済状況は一変した。

カナダでは昨年、家賃が過去最高のペースで上昇したものの、その一方でカナダ銀行中央銀行)はインフレ抑制に向け、

主要政策金利である翌日物金利を0.25%から4.5%に引き上げてきている。

トロントの賃貸用新築マンションをローンを組んで購入した投資家の52%が、毎月のキャッシュフローがマイナスの状態に陥ったとリポートは指摘。

こうした投資家は平均して月223カナダ・ドル(約2万3000円)の損失に直面しており、11%の投資家は毎月1000カナダ・ドル(約10万2000円)以上の損失を被っているという。

市場が昨年ピークを付ける前に先行販売で物件を購入した投資家が、現在の高い金利での契約を余儀なくされることで、

この傾向は今後数年でさらに悪化する可能性があると、レポートを執筆したCIBCは警告する。

投資家がどのくらい持ちこたえるかは、金利だけでなくマンション価格の見通しにも左右されると指摘。

資産価値が上昇してさえいれば、少なくとも当面、投資家は月々の損失を我慢することができるかもしれない。

ただ長期的には、そうした負担は今後のマンションプロジェクトに対する投資家の購買意欲に打撃となる可能性がある。

その場合、新規建設が抑制され、トロントの賃貸市場にさらなる圧力がかかる可能性がある。

より大きな問題は、投資家がもはや以前と同様にはマンションを先行販売で買うことができなくなったり、

購入に積極的でなくなったりすることだ」と指摘。