新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行した後、子どもの風邪が急増している。
国立感染症研究所の6日の発表によると、夏風邪の一つヘルパンギーナの患者数は移行前の5倍、
RSウイルスは2倍にのぼった。感染対策の徹底でコロナ禍中は流行が抑えられ、免疫が低下した影響とみられている。
いずれの感染症も、通常は7月頃に流行する。今年は状況が異なり、5月28日までの1週間に、
全国約3000の小児科定点医療機関から報告された患者数は、
1医療機関あたりヘルパンギーナは1・33人、RSウイルスは1・95人。5類移行前の1週間は、それぞれ0・28人、0・99人だった。
東京都荒川区の上野小児科医院には5類移行後、風邪の子どもがひっきりなしに訪れている。
発熱した子どもだけで1日に40人診ることもあり、5月上旬の2倍だ。重症化して入院した子どももいるという。
また、様々な感染症も増加している。
大阪市生野区の「くぼたこどもクリニック」の久保田恵巳院長は、
コロナ禍で免疫を得られなかった子どもがウイルスに感染しているのではないか、と指摘。
インフルエンザだけじゃなくてRSウイルスもアデノウイルスもそうですし、
コロナの間の2~3年に蓄積していた子が一気にウイルスにかかっていくと、もちろん大きな流行にはなりえます。
症状が出始めのころは検査をしても結果が出ないため、翌日まで様子をみることになります。
インフルエンザとRSウイルスはある程度タイミングが決まっていることが多いですけれども、
今回はそれがちょっと予想がつかない状況になっています。診察が難しい。検査を狙ってやるというのがなかなか難しい。
現在はコロナ禍とはまた違った難しさがあると久保田院長は話す。
‘@感染対策の徹底で子供の免疫力が低下している。
それと、5類移行とともにマスクを外す子供が増えウイルスに感染する確率が高まっている。
マスクは感染症対策に効果がある一方、今回のように子供の免疫力などに影響を及ぼす。
いまのところ回答のみえない難題だ。