馳浩石川県知事が講演で、東京五輪の招致活動に自民党の招致推進本部長としてあたった経験を語った。
その場で国際オリンピック委員会(IOC)委員の現役選手時代の活躍を載せたアルバムを、「官房機密費を使って1冊20万円で作成して渡した」と明かしたのだ。
故安倍晋三総理からは「必ず勝ち取れ」「金はいくらでも出す」「官房機密費がある」などと言われた裏話も披露。
ところが、すぐさま「発言を撤回する」と述べたきり一切の説明を拒んでいる。
麻生太郎政権で官房長官を務めた河村建夫氏(81)が機密費について語った。
「官房長官は報償費(官房機密費)のことは語らないものなんだ」
河村氏はそう断わりつつも、五輪招致と機密費のありようについて口を開いた。
「安倍内閣が五輪招致を進めていた時、馳さんと一緒にハンガリーに行きました。私はハンガリーのIOC委員の担当、彼は北朝鮮の委員の担当でした。
この委員の奥さんが1964年の東京オリンピック体操の銀メダリストで、そこで東京五輪への支持をお願いした。
馳さんはアルバムを作ったという話はしていなかったし、私も現物を見ていません。だが、私の経験からしてもありうる話だとは思います。
そもそも報償費は、国益上必要だけどあまり大っぴらには言わないほうがいいような案件に使うものです。
その趣旨から言って、IOC委員へのお土産にアルバムを作って渡すということは、IOCの規程に触れるかどうかはともかく、
報償費の使い方としては本来の目的にかなっていると言えます。だから馳さんも気軽に話したのでしょう。
私の場合は町村(信孝)さん(福田康夫内閣の官房長官)から、『あそことあそこに、いつ頃このくらいの額を渡してくれ』という具合に引き継ぎを受けた」
「想像がつきそうなところで言うと、国対(国会対策委員会)とかですね」
──昔から野党対策に使われると言いますよね。
「まあそんなところです」
「麻生内閣は首相自ら色々と仕切るタイプだったから、彼からよく指示があった。あそことあそこに(機密費を)渡してくれと。
麻生内閣の時にロシアのプーチン首相(当時)が来日したことがあった。その時、首相官邸で宴席を設けましたが、その費用は報償費で賄ったことがあった。
プーチン氏はその後、安倍政権の時も来日しました。ああいう接待もすべて報償費かもしれないね。そこまで接待したのに、北方領土問題はゼロ回答だったな」
‘@語るものでは無いと言いながら結構語っている。