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​能登半島地震、原発反対して良かった。

かつて「珠洲原発」の予定地だった石川県珠洲市高屋町も孤立。住民が市外に逃れるのに10日余りを要した。

計画は住民の反対を受けて2003年に凍結されたが、「珠洲原発があったら、避難どころじゃなかった」。

反対運動の中心的存在だった地元の僧侶・塚本真如(まこと)さん(78)が、避難も屋内退避もできない状況を振り返った。(岸本拓也)



高屋地区で代々続く円龍寺(真宗大谷派)の20代目住職である塚本さんは1日午後4時すぎ、自宅の居間で最初の揺れを感じた。

本尊の様子が気になり、居間とつながる本堂へ向かった。「仏様は無事やな」。ホッとした直後に本震が起きた。

すぐ戻ると、居間が崩れていた。下敷きになった妻の詠子さんを助け出せたが、足には大けがを負っていた。

車庫もつぶれて車が出せない。本堂も傾いていた。「ここにおったら危ない」。2人で家を出た。

住民の多くは車中泊を選び、約20台の車列ができた。塚本さんも知人の小型車の中で、大人4人で過ごした。

住民で食料を分け合った。水は地下水を確保したが、「電気やガスはダメ、ガソリンは足りない。電話もネットもほぼ使えない。情報が何もなかった」。割れた瓦で港に「SOS」を作る住民もいた。

もし高屋に原発が造られていたらー。塚本さんは揺るぎない口調で語った。「もっと悲惨な状況になっていたやろうな、としか言いようがない。止めて本当に良かった」

原発の避難計画に詳しい環境経済研究所の上岡直見代表は「今回の地震珠洲原発予定地は地盤が数メートル隆起した。



原発があったら、配管などが壊れて冷却が全くできず大事故となり、逃げられない住民は福島原発事故以上に被ばくした可能性は否定はできない」との見方を示す。

孤立集落が相次いだ能登のように国内には半島に位置する原発も多く「四国の伊方原発が象徴的だが、住民避難の観点でもリスクが大きい」と強調。

「屋内退避など指針の前提も崩れた。真剣に避難を考えるほど、原発は動かせないという結論になる」

珠洲原発計画 関西と中部、北陸の電力3社が1976年に構想を発表した。

関電が高屋地区に、中部電が寺家(じけ)地区にそれぞれ100万キロワット級の大型原発を建てる計画だったが、

住民らが反対運動を展開。電力需要の伸び悩みもあり、2003年に凍結された。