ブルガリアの出生率の低下を、全て「独身税」に求めることは正解なのか。
ブルガリアの独身税の導入時期は諸説あり、内容にも若干の齟齬がある。
「独身税」廃止後の1990年の1.82から7年で1.09まで落ちており
独身税をやめたから出生率が急激に下がったとみることもできる。
ブルガリアは1960年代から70年代にかけて他の東欧諸国に比べれば安定していた。
これは、50年代から60年代にかけて女性は主婦としてではなく、労働者として働く存在となった。
労働力を国に供給するために多くの困難が伴い、出産が少なくなり、出生率を下げる原因となった。
女性が労働力として必要とされる時代となり、それが少子化につながっていった。
社会主義国家という事情や、社会的環境など、様々な要因がからみあっていると考えるのが妥当であろうと言われている。
また、「独身税」の廃止についてはどちらかというと、人権的配慮の側面が強い。
元々、独身税を設けたからと言って出生率が増加するとは思っていなかったのかもしれない。
夫婦でも子供がいない世帯に税を掛けていた時期もあるようだ。
その税を子育て世代に優遇する。
いまの日本の流れと同じだ。
女性も多くが働くようになって出生率が低下した。
時代に合った政策が必要だ。
独身税は人権的な意味からも日本でも実行可の能性は薄いと、わたしは思う。