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歴史上はじめての「木の酒」誕生へ。

木材からアルコールを製造する方法は、日本で開発された世界初のナレッジとして注目されている。

木材を粉砕処理するだけで、薬品や熱処理を必要とせずに、

酵素酵母による糖化発酵によって得られる木の香りを感じる新しい飲用のアルコール。

木の半分は、セルロースという糖の固まりである。

しかし、木のセルロースは、細胞壁の中でリグニンという成分により、硬く固められているため、

容易には分解することができない。

そのため、長い人類の歴史を通じても、木は酒の原料になることはなかった。

木材を1マイクロメートル程度まで非常に細かく粉砕すると、

リグニンから解放されたセルロースが表に露出し、セルラーゼで容易に糖に変換できることがわかってきた。

この方法を使うと木材の香りなどが残ったままの糖液を得ることができ、

これを発酵させることで、これまでになかった香りや味わいを持つ新しい酒を製造することが可能となった。

 

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木材の新しい需要の開拓に資すると同時に、建築用材に不向きな樹種、

特に広葉樹の利用の幅を広げることにもつながる。

また、山村地域の新たな産業振興に活用でき、雇用の創出など、

地域活性化の材料として期待されている。

また、海外の木材も利用可能と考えられるが、食の安全に対しては留意が必要である。

現段階(2020年)では、飲用としての安全性が確認されていないため、

日本では試験製造の段階であるが、健康に対する影響が特にないことを示すデータを取得中であり、

確認されれば、製造販売が加速されると考えられる。

健康に対する影響が特にないことをデータで示し、製造販売できるように準備が進んでいる。

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所