丸川珠代大臣は、6月29日の記者会見で、東京五輪のボランティアに対する、
新型コロナのワクチン接種について、記者から、ボランティアの2回のワクチン接種が、
開幕までに間に合わないとの質問に、
丸川大臣は「1回目の接種で、まず一次的な免疫をつけていただく」と発言。
1回接種すれば、ある程度免疫ができるので大丈夫と言いたかったのだろう。
一部メディアでは「一時的な免疫」と報じられ、内閣官房があわてて「『時』ではなく『次』です」と、
報道各社に説明する一幕もあった。
専門家の多くは、「そういう用語を、私は聞いたことがない」と首をかしげる。
厚生労働省によると、モデルナ社のワクチンで十分な免疫効果が確認されるのは、
2回目の接種から14日以降、ファイザー社は同7日程度以降。
同省はホームページに両ワクチンとも「2回の接種が必要」と明記していて、
1回目の接種で「一次的免疫」ができるなどという記述はどこにもない。
なぜ、そんな厚労省も医療関係者も使わない「造語」が、丸川大臣の口から出たのか。
2回目接種が間に合わないとの批判を和らげるためだろう。
丸川大臣を黙らせろと散々指摘しているのに、なぜ政府は丸川大臣に喋らせるのか。
東北大病院感染管理室の徳田浩一室長は、
「1回だけの接種でもある程度の感染予防効果があるかのような印象を与えかねない。
『一次的免疫』という言葉が広がれば、ワクチン接種を1回でやめてもいいと受け止められかねない」
と不安視した。
いずれにしろ、政府や組織委などが、新型コロナ禍オリ・パラを開催すると言いながら、
ボランティアの接種を予定してこなかったのは、計画性がなく、理解できない。
ボランティアは所詮、捨て駒としか考えていないことが良く分かる。