日本維新の会の副代表で、大阪府の吉村洋文知事(46)が3日、
都議選(4日投開票)で維新の候補者の応援で各地を回った。
テレビでの露出も多く、名前は浸透しているとあって、
演説会開始前から一目見ようと多くのの聴衆が集まった。
しかし、演説途中に「大阪で仕事せえ!」とのヤジが飛ぶ場面もあった。
関西圏の昼のワイドショーで、吉村知事がカメラに向かって、
現在の大阪の感染状況や今後の見通しを語る。
その様子を聞きながら、ときどきちゃちゃを入れるのが吉本芸人を中心とした番組コメンテーター。
そこには、批判的な質問などはほとんどなく、「吉村さん、がんばってはる」と、たたえる声も。
以前から指摘されている、吉村知事のテレビへの露出度。
しかし、本人はお構いなしでテレビに出演する。
コロナ対応で多忙な時期に、週2回は出演しているという。
今年3月からの“第4波”では、医療が崩壊。自宅待機者が1万5千人となり、
在宅で亡くなる人が相次いでいる。
大阪市内に住む女性は、吉村知事をテレビで見るたびに、怒りに震えチャンネルを変える。
4月下旬、80代の母とともにコロナに感染したが入院できず、
感染した彼女が在宅で看病しないといけない状態が2日続いた。
母が入院できたときは、咳が止まらず話せないような状態で、娘も高熱が出て、
一緒に病院に行ったが、解熱剤だけ渡されて帰された。
肺へのダメージが大きく、母はしばらくして肺炎で亡くなった。
彼女も症状が悪化して入院。結局、母の死に目に会うことも、火葬に立ち会うこともできなかった。
彼女は、前回の府知事選では吉村氏に投票したが、
いまはワイドショーに出演する吉村知事を見るたびに、怒りがこみ上げるという。
「母が亡くなったのと同時期に感染した維新の中谷恭典府議会議員はすぐに入院していたんです。
そもそも、この1年、大きなこと言っていただけで、何の成果もないじゃないですか」と目を潤ませた。
東京都の小池知事もテレビによく出ると言うが、それは会見や、ぶら下がりが報道されているからだ。
吉村知事も、テレビ出演以外にも会見は日々のように行っている。
大阪以外では、何かない限り報道されないだけだ。
小池知事は、情報番組にはほとんど出演していない。(私の知る限りは皆無)
維新と在阪メディアの蜜月ぶりは異様だ。
その流れは橋下徹氏の時に作られた。
橋下氏は、知事になる以前からタレントとして情報番組などに出演。
その関係は府知事になってからも続いた。
そんなメディアとの関係を吉村知事も継承した。
橋下元知事は、気に入らない質問をする記者には個人攻撃で応戦。徹底的に反論した。
府立教員の国歌斉唱問題について質問をしたMBSの記者に対して、
「勉強不足」「ふざけた取材すんなよ」と20分以上にわたって責め立てた。
元東京都知事の石原慎太郎氏や舛添氏と同じだ。
とにかく、自分は特別と思っている人間に多いタイプ。
批判をすると、徹底的な反論や無視が返ってくると、メディア側は、
対立するより、持ちつ持たれつの関係を築こうという空気になる。
その結果、知事や市長の無批判報道が多くなる。
維新の不祥事が非常に多いのは、当サイトにも掲載しているが周知の事実。
松井市長も64回も公用車でホテル通いをしていたことが発覚。
しかし、大きな問題になっていない。
菅総理と松井市長の仲の良さも相まって、メディアも忖度し、批判を控えている。
以前から指摘しているが、メディアの批判的な欠如が、悪行三昧者の慢心につながり、
いっこうに改善されないばかりか、スルーされる、悪化する要因になっている。
メディアの体をなしていない。
公文書が偽造、改ざん、破棄されたなどということは、
本来クーデターが起きても不思議ではないほどの事件だ。
行政が行う対策を検証し、おかしな点があれば遠慮なく報じる。
そんなあたり前のことが、国民の命を守るために必要なはずだが、
メディアの正義は地に落ちている。
それは国民側にも責任がある。
国民が声を上げないから、メディアもそれで良しとし、力の強い方につく。
国民が声を上げれば、メディアも目を覚ます、はずだ。
声を上げなければ、国民はバカにされたまま終わってしまう。