新型コロナウイルスに感染して入院した人のうち、感染経路が不明とされた人に対し、
国立国際医療研究センターのグループが詳しく聞き取ったところ、
多くが複数で会食するなど、感染リスクが高い行動を取っていた。
森岡慎一郎医師らのグループは、ことし6月末までのおよそ1か月間に、
新型コロナに感染して入院した20歳以上の患者のうち、感染経路が不明とされた22人に、
発症前2週間の行動の詳しい聞き取りを行った。
その結果、およそ3分の2の14人は、友人など複数での会食や、大人数での誕生会、
それにマスクなしで室内での音楽ライブに参加など、感染リスクが高い行動を取っていた。
またマスクを着けずに、仕事のあとで職場で会話していたケースもみられた。
こうした行動を取ったことについて聞いたところ、「外食が感染のリスクだとは知らなかった」とか、
「職場ではマスク着用は不要だと思っていた」などという回答があったということで、
対策の知識が十分行き届いていないことや、意識の低さが見られたとしている。
研究グループは、感染力の強いデルタ株によって、リスクはさらに高まっているとして、
改めて基本的な対策を徹底してほしいとしています。
結果をまとめた森岡医師は「危ないと言われてきた場所が、やはりリスクが高いことが分かってきた。
誤った知識で行動して感染し、一定の人は重症化する。正確な情報を知って行動することが大事だ」
と危機感を訴えた。