自殺11年ぶり増 コロナ影響は本当か?
警察庁と厚生労働省が発表した2020年の自殺者数(確定値)は、11年ぶりに増加した。
女性や若年層の自殺が増えている。
男性は1万4055人と11年連続で減少したのに対し、女性は7026人と2年ぶりに増加に転じた。
年代別では、40代が最も多く、20代の増加率が高い。
50、60代は減少。
遺書や遺族らへの聞き取りをもとに自殺の動機を分析したところ、
「健康問題」が全体の48.4%、「経済・生活問題」が15.3%、「家庭問題」が14.8%だった。
月別では、上半期は緊急事態宣言下の4月は減(16.9%減)、5月も減となるなど、
前年より少ない水準で推移した。
下半期に一転して各月で前年を上回ったことが、通年で11年ぶりの増加につながった。
これには著名人が7月から9月に相次いで自殺したことが影響しているとの見方もある。
自殺した年代と上半期の増加を考えると、あながち的外れでもないだろう。
相談を受けるNPOの代表は、「コロナで職を失った、パート先を解雇されたなど、
非正規雇用の若い女性からの相談が目立つので、
コロナの影響による雇用環境の悪化が自殺の増加に影響した可能性がある」とみる。
だとしたら、自殺者数は偏らないのではないか。
後、相談できるまでの人の自殺に至る率は低い。
それが途切れた時や相談もできない状態の人が自殺する。
相談窓口は大事だし、新型コロナの影響で自殺した人がいるのは確かだ、
しかし、数字と状況を把握して、冷静に分析する必要がある。