新型コロナの流入を防ぎ、感染の拡大を見事に抑え込んだ台湾。
だが2021年5月10日の3人を皮切りに、台湾では毎日、市中感染が確認されるようになった。
発端は中華航空の国際貨物便パイロットによる輸入感染で、彼らを隔離収容したホテルのミスなど、
いろいろな要素が重なったとされている。
その1週間後の5月17日には、過去最高の535人の感染者が確認された。
この急転直下の感染拡大に、日本では、「台湾だって感染が拡大している」と。
なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか (扶桑社新書) [ 野嶋 剛 ]
感染を抑えている時には話題にしないのに、拡大している時には大々的に取り上げる。
しかし、2カ月後の7月11日以降、台湾は市中感染を30人以下に抑えている。
この状況をアメリカの「The Diplomat」は7月29日の記事で、「なぜ、台湾はCovid-19に再び勝てたのだ」
と称賛している。
そして台湾は8月25日には、3カ月ぶりに国内感染ゼロを達成した。
かたや日本では、案の錠、台湾が新型コロナに打ち勝った時には、全く報道しない。
これが、米国のメディアと日本のお粗末なメディアとの大きな違いだ。
日本は、年明け以来、大都市圏を中心に感染が拡大。
まん延防止等重点措置、緊急事態宣言も長期間適用されてきた。
しかし、大規模な感染拡大を防ぐことはできず、医療機関が崩壊する事態に陥ってしまい、
感染者は自滝待機を、国や自治体の方針で余儀なくされ、
19都道府県で、9月30日まで緊急事態宣言が延長されることが決まった。
菅総理は、東京五輪を「新型コロナに打ち勝った証」として開催すると、何度も声高らかに打ち上げた。
しかし、どう見ても、どう考えても、コロナに打ち勝つどころか、
東京五輪の影響により「コロナに負けた」東京五輪に見えてしまう。
東京五輪と共に、新型コロナは感染爆発し、多くの感染者や死者が出て、
それは感染者数が減少した今も、東京や大阪などでは続いている。
そのことを、メディアは一切報道しない。
昨年と同様、感染の拡大を迅速に抑え込んだ台湾と、出口の見えない緊急事態宣言を、
ダラダラと延長し続けた日本。
なぜ、日本は台湾など成功しているところに学ばないのか。