クレディ・スイス、ソフトバンクG提訴へ。
経営破綻した英金融会社グリーンシル・キャピタルを巡り、
資金回収を目指すスイスの金融大手クレディ・スイスが、
ソフトバンクグループを相手に訴訟の準備に入った。
今年3月に破綻したグリーンシルは、売掛金をもとに企業に融資し、
それを証券化して販売する「サプライチェーンファイナンス」を展開。
ソフトバンクGが出資していた米新興建設会社カテラはグリーンシルの融資先の1つで、
融資返済に行き詰まった。
クレディ・スイスは投資ファンドを通じて証券を購入していた。
クレディ・スイスは、グリーンシル・キャピタルの関連ファンドに絡む損失の大半を回収することを目指すとし、
関連ファンドの投資家への現金返還を月内に拡する計画を明らかにした。
クレディ・スイスは先月、グリーンシル関連のサプライチェーン・ファイナンス(SCF)ファンドを閉鎖。
同ファンドは約100億ドル規模で、グリーンシルの債務が大半を占める。
3月29日時点で、約31億ドルが投資家に返還され、ファンドに残っている現金は15億ドルという。
クレディ・スイスは12月23日、米サンフランシスコの連邦裁判所に請願書を提出。
カテラとソフトバンクGとの間でどのようなやり取りがあったのかが分かる文書と情報の引き渡しを求めた。
ソフトバンクGと関連会社などを英国で訴えるのに必要な情報だとしている。
クレディ・スイスは孫正義会長を含めたソフトバンクG経営陣が、
カテラの経営再建計画について何を把握していたかを明白にしたい。
クレディ・スイスはグリーンシル問題に絡む損失の規模は明確にしていないものの、
利益に大幅な影響が及ぶ可能性があるとの見通しを示している。
同社は、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの損失問題でも、
関係筋はクレディ・スイスの損失が50億ドルに達する可能性があると指摘。