薬として効く成分がまったく含まれていない偽薬「プラセボ」
プラセボを飲んでも、身体に有益な作用が得られることも多く、これをプラセボ効果という。
一方、プラセボを飲んでいるにもかかわらず、
本物の薬と同じような副作用が表れることを「ノセボ効果」と呼ぶ。
新型コロナワクチンの副反応とノセボ効果の影響を検討した研究論文が、
米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに2022年1月4日付で掲載された。
臨床試験に参加した被験者のうち、2万2802人が新型コロナウイルスワクチンを、
2万2578人がプラセボワクチンを接種。
結果、プラセボワクチンを接種したにもかかわらず、何らかの副反応を報告した人は、
初回の接種で35.2％、2回目の接種で31.8％いた。
この頻度をもとに新型コロナワクチンによるノセボ効果の影響を検討したところ、
新型コロナワクチンによる全ての副反応のうち、初回の接種で76％、
2回目の接種で52％がノセボ効果に相当すると見積もられた。
‘＠プラセボでも有益な効果が得られることもあるように、副反応も出る。
副反応に対する不安が強いと、ノセボ効果の影響によって副反応が強まる可能性もあるというが、
どちらにしろ、副反応があることは間違いのないことだ。
不安がある人に不安を和らげろと言っても、深層的には無理だろう。
だから、「プラセボ」でも効果が得られるのだ。
