バイデン米大統領は2日、中西部ウィスコンシン州で演説し、
ロシアのウクライナ侵攻を非難する決議が国連総会で採択されたことに関して、
「中国は棄権した。インドも棄権した。彼らは孤立している」と中。印両国を非難した。
プーチンを非難する決議に141カ国が賛成した。
バイデン大統領は一般教書演説でこう述べた。
「ロシアの独裁者は外国に侵攻し、世界にコストをかけた。
ウクライナに対する「プーチンの戦争」はロシアを弱体化した。
プーチンは戦車でキエフを包囲するかもしれない。
だが、彼はウクライナ人の心と魂まで手にすることはできない。
彼は、彼らの自由に対する愛を消すことはできず、自由世界の決意を弱めることもできない」
〈Go get him!(彼を捕まえろ!)〉
ホワイトハウスが発表した公式の演説全文に、この一言はない。
つまり、これはバイデン大統領即席の発言だった。
「him」ではなく「them」のではないか、との見方もあるが、
米ブルームバーグや米ABCは「him」で報じている。
私も録画を聞き直したが、やはり「him」に聞こえる。
どういう意図、意味なのか。
まさか、「ゴルゴ13」に訴えたのでもあるまい。
もしも、プーチンが核のボタンに手をかけようとしたら、止められるのは極側近。
はたして、彼らに止められるのか。
追い詰められたプーチンが「手負いの虎」のように、一か八かの賭けに出る可能性はある。
だから、バイデン大統領はプーチンの側近やロシア軍に訴えたのではないか。
〈Go get him!(彼を捕まえろ!)お前たちは許す。悪いのはプーチンただ一人>
そうしないとロシアは大変なことになる。
緊張はマックスになっている。
ロシア軍は、おそらく首都キエフを攻略できる。だが、それを維持することは難しい。
ウクライナの人々は、みな彼らを憎んでいる。
成人の大部分は「人間の盾」であれ「どんな武器」であれ、手にして戦う。
ウクライナには祖国を守るという信念があり、ゼレンスキー大統領の信頼は絶大で
人々の士気は挫けていない自分たちの国という地の利も大きい。
ロシア中銀は政策金利を2倍近い20%に引き上げた。
結果、ロシア国民は買い物でクレジットカードを使えず、ドルは入手できず、
住宅ローン金利は大幅上昇という苦境に立たされている。
ルーブルの暴落は止められず、今後、猛烈なインフレと景気悪化に襲われる。
最悪の事態が続くのだ。
ロシア人は不況に強いというが、今の時代を生きている人にとって、昔とは違う。
ロシア国内から「戦争反対」の、多くの声を望む。
逮捕される可能性があるので戦争が無くてもいい「反対」だけで。
後は「プーチン反対」と思う人たちが、集団で無言で路上に立つ。
拘束されるようなことを無理にしない。
とにかく訴える人が増えれば、世界は感じる。