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​新型コロナの「再感染」は回数が多いほど死亡率が上昇。

後遺症にもなりやすい。

新型コロナの変異株のなかでも感染力の強いオミクロン株の出現により、再感染率が上昇している。

米国では3度目、4度目の感染をする人さえいる。

また、オミクロン株の亜系統はこれまでに獲得された免疫を回避する能力が高いことも研究で判明している。

こうした疫学データは新型コロナが何度も再感染しうることを示している。

再感染はリスクをもたらす。



米退役軍人省(VA)セントルイス・ヘルスケアシステムの研究開発主任で、

ワシントン大学の臨床疫学者でもあるジヤド・アルアリー氏。

氏が、560万人以上の退役軍人の医療記録を分析した結果、

感染回数が増えるごとに単純に死亡率が高まっていた。

また、再感染によって、糖尿病、慢性疲労、新型コロナ後遺症などの病気や、

心臓疾患、血液疾患、脳疾患による健康リスクが発生する割合も増えていた。

この論文は、2022年6月17日に査読前論文を投稿するサイト「Research Square」で公開された。

ただし、アルアリー氏を含む専門家たちは、まだ多くの疑問が残されているとしている。

退役軍人は高齢の白人男性が多いため、一般の人々を代表しているとは言えないが、

なぜ退役軍人の間で再感染が健康リスクの上昇と関連していたのかは、まだ分かっていない。

また、新型コロナの新たな変異株は感染するとより重症化しやすいのかや、

再感染しやすくなるまで免疫が低下するのにどれくらいの時間がかかるのかも定かではない。

「総合的に考えると未知の部分が多く、それがこの問題を複雑にしています」と、

ミネソタ大学感染症研究政策センター所長のマイケル・オスターホルム氏は言う。



「私はこれを感染症における微積分問題と呼んでいます」

一般論として再感染は最初の感染よりも軽く済むものだと、

ワイルコーネル医科大学カタール校の感染症疫学者レイス・J・アブラダッド氏は言う。

ただ、たとえ1回目よりも軽く済むケースが大半だったとしても、再感染は深刻に受け止められるべきだと氏は言う。

「そもそも感染しないほうがいいのです」

2022年7月7日付けで医学誌「New England Journal of Medicine」に掲載された氏の研究によると、

感染回数が増えるたびに、新型コロナによる健康への悪影響は累積していくと氏は言う。

さらに、感染するたびに新型コロナ後遺症を発症するリスクがあることも、科学者にとって心配な点だ。

感染後、様々な症状が数カ月から数年続きうる新型コロナ後遺症の原因はいまだ不明。

オスターホルム氏は、状況を一変するような変異株や亜系統が出現する可能性もあると指摘。



「このウイルスを出し抜こうとするたびに、私たちは後知恵で考えの修正を迫られてきました」と警告。

それでも、科学者はいずれこのウイルスにより良く対処できるようになるだろうと楽観的だ。

それまでの間に、この不安から自分の身を守るためにできることはたくさんあると専門家は言う。

例えば、ワクチンを接種し、可能なら追加接種も受けることや、

マスクを着用したり濃厚接触のリスクが高い状況を避けたりといった実際的な予防策をとることが挙げられる。

「再感染に身をさらすたびに、非常に危険なゲームをしていることになるのです」

「その1回の感染が、非常に深刻な結果につながるかもしれません」と警告する。