「あんな親しげな手紙を送ってくれるのだから、会いに来てくれればよかった」
島根県在住のジャーナリスト・米本和広氏（71）。
犯行直前の山上徹也容疑者（41）が手紙を送っていた人物だ。
手紙の存在が明らかになったのは7月17日。
読売新聞のスクープ。
山上容疑者は安倍晋三氏を暗殺する前日の7月7日、
岡山市内の演説会場に向かう道中で手紙を投函したと見られる。
「見つけたのは13日。普段ポストは開けないんですが、その日は開けた。
宛名は直筆で差出人はなし。献金の返還請求の合意書のコピーが同封されており、山上君だとわかった。
元々その翌日に読売の記者が取材に来る予定だったので、手紙について教えたのです」
『洗脳の楽園』（1997年）や『カルトの子』（2000年）などの著書がある米本氏は、
長年カルト宗教問題に取り組んできた。
山上容疑者は米本氏のブログの熱心な読者だった。
ブログのコメント欄では、やりとりを重ねていた。
米本氏が語る。
「（山上の手紙は）うまいね。行空けもうまい。文章が明快でした」
山上は典型的な「宗教2世」だ。数々の“カルトの子”を取材してきた米本氏にはどう映っているのか。
「多くの宗教2世の感情は内に向いてしまう。外への攻撃に向かったのは、私がこれまで見てきた中でも彼だけ。
彼の母親は“子供より統一教会”だった。親は選べない。その問題を一番に考えるべきなんです」
米本氏は統一教会に関しては“反統一教会”批判も展開。
信者を拉致監禁して脱会させてきた家族と協力者の行動を厳しく追及している。
統一教会を憎悪し続けてきた山上容疑者は、なぜそんな米本氏に手紙を託したのか。
〈私は「喉から手が出るほど銃が欲しい」と書きましたが あの時からこれまで、
銃の入手に費やして参りました。その様はまるで生活の全てを偽救世主のために投げ打つ統一教会員、
方向は真逆でも、よく似たものでもありました〉
米本氏が言う。
「この部分は自身の行動を“反カルト”に重ねて書いたのだろう。
僕は以前から反統一教会の人たちに『お前らも（統一教会と）同じだよ』と指摘してきました。
彼らは『カルトは悪いからやっつけよう』と断罪するだけ。信者の気持ちへの配慮は一切ない。
その問題点を山上君はわかっている。
メディアもすべてを『白か黒か』にする。カルト的です。今は統一教会バッシング一色でしょう。
『白か黒か』で分けられるものは世の中にはありません。黒の中にも白があるし、白の中にも黒があるんです」
今後、米本氏は山上と“対話”したいと明かす。
「接見はすると思うよ。本を差し入れてあげようと考えています」
source : 週刊文春 2022年8月11日号
‘＠太田光や杉村ばか蔵の考えと同じようだ。
プーチンにも正義はある、１票のために統一教会と仲良くなるのは悪いのか。
多くの自民党議員が統一教会に信用を与えて被害者が増えている。
世の中、白黒分けられないことが多いのは良く分かるが、
宗教的にみるような、そこまで崇高な話しには見えない。
被害者がいるということは加害者がいる。
被害者にしてみれば加害者は、悪だ。
山上容疑者は〈その様はまるで生活の全てを偽救世主のために投げ打つ統一教会員、
方向は真逆でも、よく似たものでもありました〉と記した。
だが、それは真逆ではなく同じ方向を向いていたのだ。
主のために投げ打つのと主を無きものにしようとする思いは真逆だが、
主のために人を不幸にするのと、主を亡き者にしようとする行為は、
正義を振り翳し人を破壊する行為で、両方とも同じ方向を向いている。
そこに気付くべきだ。
安倍氏は山上容疑者の被害者。
山上容疑者は母親と統一協会の被害者とすれば母親は統一教会の被害者。
統一教会の信者は統一教会の被害者とすれば、統一教会は誰の被害者なのか。
白と黒を混ぜて灰色にすれば、利するのは統一教会であり、統一教会と仲の良い議員たち。
そして、彼らはそうやってこの難を逃れようとしている。
その後押しをしてはならない。
