マスク使用に科学的根拠が無いと誤解している人が少なからずいる、
医療関係者の間でも、新型コロナの予防のためにマスクをしても、医療現場以外では大して役に立たないと、
当初は考えられていた。
実際、世界保健機関(WHO)は、健康な人が公共の場でマスクをすることは、これまで推奨していなかった。
マスクを使うのは、インフルエンザや新型コロナなどの感染症にかかっている人や、
その周りにいる人程度で十分だとしていた。
ところが2020年6月5日、WHOはマスクに対する方針を大転換した。
新型コロナが流行している地域では、交通機関やお店の中など公共の場でのマスク着用を推奨。
1メートル以上の社会的距離をとるのが難しい場面では特に勧めた。
医療用ではない布製のマスクでいいので、健康な一般の方でも着用をした方がいい、となったのだ。
外でのマスク外しや人のいないところでのマスク外しも、やっと政府が打ち出した、遅いと述べる人がいるが、
政府は当初より、人のいないところなどでは外してもいいと言っていた。
夏の暑い時は特に日射病に喜恵雄付けて、臨機応変にと言っていた。
わたしは、当初よりそうしていた。記している。
時には睨まれた(気のせい)こともあるが、人がほとんどいない通りでマスクする必要はないと。
だが、北村義浩・日本医科大特任教授らが、連日テレビなどで「マスクはワクチン」「マスクはパンツ」などど、
マスクが新型コロナ対応の唯一の武器として、外さないように連日訴えていた。
それが擦り込まれた可能性もある。
日本人にはそこまで違和感はないだろうが、海外でのマスク着用は、
マスクをする習慣がなかった国では非常に大きな変化となった。
東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野の河岡義裕教授らの研究グループは、
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の空気伝播におけるマスクの防御効果を発表。
その結果、「布マスク」を着用する事でウイルスの吸い込み量がマスクなしと比べて60~80%に抑えられ、
「不織布マスク」では50%に抑えられ、 「N95マスク」となると10~20%まで抑えられた。
マスクのみではウイルスの吸い込みを完全には防げない
これらの実験では定量性を確保するために高濃度のウイルスを噴霧して解析が行われた。
COVID-19感染者の呼気に含まれるウイルス量が不明であるため、
噴霧するウイルス量を段階的に減らした実験も行ったところ、
布マスク、外科用マスクならびにN95マスク着用時においてマスクを透過した感染性ウイルスは、
いずれも検出限界未満だった。
一方で、ウイルスの遺伝子はどのマスク着用時においても検出された。
マスクのみでは浮遊するSARS-CoV-2の吸い込みを完全に防ぐことはできない。
それは、マスクをしていても吐き出すウイルスを完全に防ぐことは出来ないのと同じだ。
カナダの名門マックマスター大学などの研究者らが、系統的レビューとメタ解析という方法を用い分析。
この研究では、マスク、眼の防護、社会的距離に関係がありそうな約1万8千件の論文が選出された。
そして最終的に、172件の研究が系統的レビューの対象として選定。
患者さんの数としては、合計すると約2万6千人、6大陸16か国にわたる広範囲のデータになる。
計算の結果、マスクには感染リスクを減少させる効果が認められ、その値は85%となった。
さらに使用される場面でも違いがあり、医療現場で使った場合は感染のリスクの比率が約3分の1、
一般の場所では約半分となる効果が出た。
マスクの種類でも違いがあり、医療用によく用いられる「N95マスク」は96%と効果が高かった。
その他のマスクになると67%に低下。
眼の防護対策をすることで、感染リスクは78%も減少すると算出された。
さらに研究で明らかになったのは、医療現場でも一般の場所でも、1メートルの社会的距離を開けることで、
82%の感染リスク減少の効果が認められた。
社会的距離は、1メートル開けるごとに2倍以上効果が出る。
そのため、3メートルくらいまでは距離を開ければ開けるほど、効果が出た。
こうしたデータの裏付けがある。
日本では富岳などでも検証している。
今回のパンデミックのような場合は、過去の常識が通用せず、WHOなどの専門家でも提言が変わった。
マスクのような初歩的な対処の認識ですら、専門家であるはずの医療関係者の間でも大きく変化してきた。
思い込み感情に走ることが最も怖い。
冷静にどのようなデータに基づいたものなのか、その根拠のところを探る必要がある。
だから、変に自信をもって述べる人には気を付けた方がいい。
新形コロナに乗じて炎上商売をしているような人などにも。
交通事故死と新型コロナの死者やワクチン接種の死者数を比べたり、
全員感染すれば怖くないと、人が死ぬのは仕方ないと述べる人などには気を付けるべきだ。
人の命を救うのが医者で医療関係者ならば、絶対にそんなことを思うはずもない。
新形コロナに限ったことでは無く、インフルエンザでも、高齢の方はもちろん、
持病のある方やリスクの高い方々を守る方法について、もっと目を向けなければならない。